第六話 バルバトス
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たグレイズの操作は更に荒くなり、攻撃全てが単調になった。
「それって、何年前の話?」
「それを聞いてどうすんだ?アァッ!?」
「いや、ちょっと気になってさ」
「テンメェ!!!!!!!」
怒りに身を任せるグラン。
それにしても、バルバトスのパイロットはなんであんなにも冷静なのだろう。荒々しいグランとは真逆……いや、そもそもが違う。アイツは普通じゃない。
よく見ればそうだ。
普通のパイロットにあんな動きが出来るのか?
答えは否だ。アレは異常だ。
突然の出来事の連続でパニックを起こしていたが、少しずつ冷静さを取り戻してきた今なら分かる。
まるで、生身のような姿勢制御。
全ての攻撃を余裕を持って躱している。
「当たれッ!このクソ野郎!」
「鬱陶しいなぁ。そろそろ諦めなよ」
「諦めるか!テメェをぶっ壊すまでなァ!」
「てか、今はこんな事してる場合じゃないでしょ」
「はッ?仇のテメェをぶっ壊すのが、最優先だオラ!」
聞く耳持たず、グランは暴れ回る。
「ねぇ、そこの人。コイツをどうにかしてよ」
バルバトスのパイロットは溜め息を付きながら言ってきた。
「今は、あのモビルアーマーをどうにかしないと」
「どうにかって……アイツはもう────」
「アイツは、まだ生きてるよ」
その言葉と同時にモビルアーマーは行動を再開した。
「ナッ!?」
「あんなので倒せるんならとっくに終わってるよ」
「な、なら、なんで、アイツは動きを止めてたんだ?
さっきの剣で突き刺して……倒せたんたじゃないのか!?」
「さぁ、なんか背面装甲が脆そうだと思ったから突き刺してみただけだよ。まぁ、思った通り突き刺さったから良かったけど」
ダメージで一時的に動けなかったって事か?
「だから、今度はぶっ壊すよ」
「ぶっ壊すって……どうやって?」
「えっと。名前、なんだったけ。だ、だ、ダインなんちゃら?だっけ。今、それをオヤっさんが槍にしてるからそれまでは時間を潰せって言ってた」
「ダインなんちゃら?
……もしかして、ダインスレイブの事か?
アレは使用を禁止された兵器────」
「んなの、どうでもいいよ。アイツを倒せるならそれでいいじゃん」
バルバトスは背中にマウントされていた滑空砲を構え、モビルアーマーに標準を合わした。
「ねぇ、俺はどうすればいい?」
バルバトスのパイロットは言った。
アイツが現れてから何度目の言葉だろう。いきなり現れて、俺はどうすればいい?
そんなの俺に聴くな。なんで、俺に聴くんだよ。
「んなの、俺が知るかよ!
お前のやりたいようにすればいいじゃないか!」
そう言うと。
バルバトスのパイロットは。
「分かった」
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