第六話 バルバトス
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の見たことないモビルスーツの識別コードはギャラルホルン特有のパターンだ。このタイミングなら増援と考えるべきだが。
「所属?
なにそれ?」
「はぁ?テメェ……ふざけてんのか!?」
「いや、ふざけてなんかないよ。その所属って……あぁ、そういえばオヤっさんがそんな事、言ってたなぁ。このバルバトスは今はギャラルホルンのモビルスーツだって、」
バルバ、トス?
聞いたことがある。
ツインリアクター搭載型の雛形。四百年前の戦争『厄祭戦』を集結に導いたガンダムフレームの一機にバルバトスという名前のモビルスーツがあった。まさか、目の前の白い機体が、そのガンダムフレームのモビルスーツ ガンダム バルバトスなのか!?
「バルバトス、だと」
グランの声は異様に冷たかった。
「おい、そのモビルスーツはバルバトスで間違いねぇんだな?」
「そうだけど、」
「じゃぁ────死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
グランのグレイズはアックスを振り上げ、バルバトスに振り落とした。
バルバトスはそれを紙一重で躱し、モビルアーマーに突き刺さった太刀を引き抜いた。
「いきなり、なに?」
バルバトスのパイロットの鋭い声。
ど、どういう事だ?何が、どうなってる?
状況は更におかしくなった。
「お前……声からしてガキだな。歳は14、15だろ」
「そうだけど、それがなに?」
「お前、その機体から降りろ」
「は?」
「俺はテメェに用はねぇ。そのモビルスーツから降りろ。そうすりゃ、見逃してやる」
グランのグレイズは腰にマウントされている剣を取り出し構えた。右手にアックス、左に剣。グランは完全に、あのバルバトスをヤル気だった。
「待て、グラン。落ち着け、」
「落ち着け?落ち着けだと?おいおい、これを落ち着いてられるか?
はっ。そいつは無理な相談だ。だってよ、目の前に居るんだぜ?俺の親父を殺したモビルスーツがよぉ!!」
グレイズは加速した。
左の剣を全面に突き出し突進する。バルバトスはその突進を回避した。そして、グレイズは避けられると見越していたのか、突進を途中で中断し右手のアックスをバルバトスの胴体目掛けて振り落とした。
だが、バルバトスはそれを難なく回避する。
グレイズは一定の距離を保ち、左手の剣を振るう。
「おらッ!避けな!」
「避けなきゃ当たるだろ」
バルバトスのパイロットは冷静だった。
攻撃されているのに反撃する事はなく、攻撃を躱し続けている。その動きはとても繊細だった。
「ねぇ、さっきアンタが言ってた話なんだけど」
「アッ!?」
「アンタの父親って、このモビルスーツに殺されたの?」
「────!!!!!!!」
その一言で、グランはキレた。
元より荒かっ
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