序章
序章
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外からたくさんの人の声が聞こえる。またナルトが何かやったなとチラッと外に目を向ければ案の定というべきか、顔岩に落書きがされていた
「今度は顔岩に落書きか。勇気あるな」
白いTシャツと黒い半ズボンという格好に少し逆立った黒髪と黒い瞳が特徴の少年は少し呆れた様子でそう呟く。彼の名前は千手ハルマ。勘当に等しい扱いを受けてはいるが、ハルマは千手一族の血を引いている
「混ざらないの?ハルマは」
右隣に座り、ニコニコしながらこちらを見てくるロングの黒髪が似合う、和服を着た少女。白い瞳は彼女が日向一族の人間であることを示し、額に巻かれた布は彼女に籠の鳥である事を知らされる
「カナ・・・・俺にあれをやれって無理に決まってるだろ。元々そんな性格じゃないし」
ハルマは元々騒がしいことが苦手なタイプだ。ナルトとは自身と似た境遇、彼の性質から一緒にいるし、大事な友達だと思っているが、あれには混ざりたくなかった。それはカナも知っている筈だが、彼女はクスッと笑ってハルマをイジる
「そうね。確かに人間不信を拗らせた捻くれ小僧だもんね」
「うるさい」
無愛想にそう言いながら外を見ていると大きな声が響き、ナルトが落ちる
「落ちわね」
「ああ。落ちたな」
流石イルカ先生と二人が話していると不意に扉が開く
「おはよう。レツ」
橙色の髪と眼をした少年。彼は猿飛レツ。重力に逆らって伸びた後ろ髪が特徴の彼はとても明るい性格をしていて、ハルマとは対照的だとカナは言う
「おう。おはようさん!」
「珍しいわね。遅れて来るなんて」
カナがそう話すとバツが悪そうにレツは小さな声で言う
「ああ。寝坊した」
「本当に珍しいな」
「仕方ねえだろ!アスマさんに火遁系統の術が書かれた巻物を貰って、寝るのが遅くなったんだよ!」
しかし、ハルマとカナがそれに対して何かを話すことはなかった。バタンと大きな音を立てて、イルカと縄でぐるぐる巻きにされたナルトが入ってきたからだ。イルカがナルトに説教をする中、レツはハルマに問いかける
「なあ、ハルマ。明日が卒業試験だってことを分かってるのか?あいつ」
「分かってるだろ。多分」
自信なさ気だが、それも仕方がないだろう。卒業試験前日に悪戯をしていれば分かっているだろと自信を持って言えなくなるのも当然。まあ、大丈夫だろと投げやり気味にハルマは考えるのを放棄した
帰り道。ハルマは一人歩きながらナルトを心配していた
「明日か。あいつ、本当に受かれるのか?」
その不安は見事的中してしまう
翌日。ハルマはブランコに座るナルトを見ていた。ハルマの手には額当てがある
「ナルト・・・・」
しかし、ナルトにはない
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