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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第636話】
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郎って言うんだね〜」

「にゃぅ……」


 小さく鳴くにゃん次郎、本音が食べてるますのすしが気になるのかずっと凝視していた。


「どうした? ますのすし食べたいのか?」

「うにゃん♪」

「にひひ、いいよ〜♪」


 紙容器の受け皿に食べやすいように盛り付ける本音、バッグから出るとますのすしに口をつけて食べ始めたにゃん次郎。


「にゃぅにゃぅ♪」

「気に入った?」

「にゃっ!」


 頭を撫でる本音に嬉しそうに目を細めるにゃん次郎。

 ヒルト達が静岡を通り過ぎる頃、地球の反対側にあるフランスのパリにあるデュノア社特設アリーナ。


 夜も深まる深夜、煌々と輝くアリーナ内部で新型機の起動テストを行っていた。

 ランダムに現れる標的を撃ち抜くエネルギー弾と実弾、更に離れた位置にある標的を纏めて撃ち抜く散弾。

 機体を動かす度に靡くブロンドヘアー、目尻吊り上げ、ただただ標的を射抜く。


「そこまでだ、シャルリーヌ」


 一通り撃ち抜かれたヒル、フィールドに散らばる空薬莢、銃口から白煙を吹き、シャルリーヌと呼ばれた女性はアリーナ上部に設置された特設室に視線が移る。


「まだだよ、まだ稼働できる!」

「いや、テストは終了だシャルリーヌ。 もう時間も遅い」

「…………」


 ショットガン、ライフル共に高く放り投げるとそれらは空中で四散、纏っていた機体も粒子片となって消えていく。

 まだ物足りないといった表情のシャルリーヌ――だが、特設室に居るデュノア社社長アルベール・デュノアが告げた。


「やっと形となった《コスモス》だ、それに稼働時間が増えれば増えるだけ機種転向に支障を来す」

「…………」


 コスモスの搭乗者として指名されているのはシャルロット・デュノア――自分じゃなく、愛人の娘である女を選んだのだ。

 奥歯を噛み締めるシャルリーヌ、目尻を吊り上げたままシャルリーヌは告げた。


「社長、お願いがあります。 あの女にコスモスを渡す前に模擬戦を行いたいのです」

「何故だ?」

「コスモスに相応しいのはこの僕、シャルリーヌ・デュノアだからです。 会社の決定とはいえ、僕は愛人の娘にこの機体が相応しいとは思えない。 僕が、僕こそがコスモスの搭乗に相応しいからです。 それを模擬戦で証明する機会を与えてほしいのです、社長」

「……良いだろう。 私としては稼働データが優秀な方が良いのでな」

「ありがとうございます、社長」


 一礼し、アリーナを出るシャルリーヌ――通路に鳴り響く靴音と共に浮かべる笑み。


「僕こそがコスモスに相応しいと証明してあげるよ。 ――【シャルロット姉さ
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