暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
番外編 第3話 『大好き』
[1/10]
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
この剣を振り下ろすまでの時間は、恐らく何秒もかかっていないだろう。
だけど、体感時間は異常な程に長く感じていた。
そして 今日ほど緊張した事など、今まで生きてきた中で 一度だって無いかもしれない。
心臓の鼓動が 仮想世界の筈なのに うるさい程聞こえてくる。その鼓動が奏でる音は現実のそれと全く相違ない。
――剣を持つ手が震える。……それにへカートより ずっと、ずっと 重い気がする。
シノンは 手に伝わる重さが、あの世界での自分自身の相棒であり、愛銃でもあるへカートUよりも重く感じられた。そして その理由もよく判る。
それ程までに 想いを込めているから。漢字をただ変えただけじゃない。この時が来る事を待ち望んでいた自分だって確かにいた。
でも決してリュウキを困らせるつもりはない。……レイナを泣かせたりもしたくない。あの息苦しい生き地獄と言っていい過去からの記憶に苛まれていた自分自身を救ってくれた人達。かけがえの無い人達なんだから。
それでも 一度。一度くらいは許してもらいたかった。
――それに、ちょっとした切っ掛けだったかもしれない。
もしも 自分がSAOの世界へ足を踏み入れていたとしたら?
もしも あの生と死の世界で肩を並べて戦い続けていたとしたら?
たら、れば、はあまり使いたくはないが、それでも何度も思ってしまうのだ。あの世界で レイナと、彼を想っている子達と色んな意味で戦いたかった、と。
「(……リュウキ……っ)」
お願い。今だけは、許して……。
シノンは、心に強く念じて剣を下ろした。
リュウキの頭に剣の腹部分が軽く当たる。攻撃判定が出るのかどうか判らない程の速さと強さだった。……
だった
(
・・・
)
筈なのに。
「っっ!!」
ずんっ! とまるで地盤沈下でも起こしたのか? と思える様な衝撃と轟音が周囲にばらまかれたのだ。重力魔法を見に受けたかの様に沈む脚。
「な、な……っっ」
シノンも突然の事に困惑。混乱してバランスを崩しかけたのだが 何とか両足を踏ん張って堪える事が出来た。だが、リュウキはそうはいかない。
「っ、ぐぁ……!」
ず、ずずず、と地面にめり込む勢いで、あの剣に潰されていっているのだから。
「りゅ、りゅうき! そんななんで!? わ、私はそんな強くやって無いのに……!」
慌てて駆け寄ろうとするシノンだったが、リュウキは手で制した。
「違う……、シノンの じゃない、……これは 何かの、……何かのイベントが発生した……、みたいだ……っ! (こ、この感覚は……
あの世界
(
・・・・
)
でのと、同じ………っ)っ!」
堪えている最中もリュウキの頭の中に、様
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ