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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第94話:嘘は人の心を守り、真実は傷付ける。
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は勿論の事、君も相変わらずだなぁ……流石はリュカ陛下の愛弟子だよ。俺はもう帰っても良いかい?」
「一人で帰れるのなら良いですけど、一人では帰れないのならダメです。我慢して嫁の音楽鑑賞が終わるのを待ってて下さい」

あぁ……王太子殿下は私と同じなんだ。
常識人なのに非常識人に掴まって苦労なさってるんだわ。
でもゴメンなさい、私は殿下と違って権力を持ってないので、何もお助け出来ません。

「じゃあ早く嫁の音楽鑑賞を終わらせてくれよ。君等に付き合ってたら、胃が幾つあっても足りやしない。半日もここに居たら胃潰瘍で死んでしまうね」
「そう言って皆、慣れていくんですよ……」

殿下が羨ましいわ。用事が終われば平穏な場所に戻れるのだから……
私は今日が終わっても、また明日が来て胃が痛くなる。胃薬なんて飲んだ事無かったのに、城へ来る事になってからはダース単位で購入し始めたわ。

「まぁ良いや。ピエッサさん、早速だけど始めて貰えるかな?」
「は、はい! じゃ、じゃぁマリーちゃん。今日は“Everything”を演奏するわね……大丈夫かしら?」
「わぁお! 流石ピエッサは分かってるぅ……ナイスなチョイスね」

ええ私は分かってるわマリーちゃん。
分かってないのは貴女なのよ……
でも直ぐに分かるわよ……お姉様がいらっしゃった本当の理由を。

?

?

?

?


恙無く私のピアノ演奏は終了し、静寂が室内を包むのに合わせてマリーちゃんが深々とお辞儀をする。
披露した曲が終わった事を察したラインハットの王太子殿下が、空気を読んで拍手を送ってくれる。
だけどお姉様とウルフで閣下は、苦笑いで拍手などしてくれそうに無い。

「ポピーお姉ちゃん、如何だった私の歌?」
「う〜ん……最初に確認しておくけど、貴女は王家の人間である事を隠して歌手活動してるのよね? 王位継承権が無いとは言え、両親が王様と王妃様って秘密にしてるのよねぇ?」

「そうよ。世界に愛されるトップアイドルになる為に、コネは使わないようにしてるの。それが如何したの?」
「ううん、安心したの。だって貴女が私の妹だと知られる事が恥ずかしいから(笑) 私も絶対に姉だとは公表しないでおくわね。赤っ恥だから(ニッコリ)」

「ちょっと……それ、如何いう意味よ!?」
「如何いう意味って、そのままの意味……ヘタクソすぎて家族だと思われるのが恥ずかしいのよ。解るかしら(ニッコリ?)」

流石は実の姉。
言いにくい事をズバズバ言ってくれる。
ありがたいけど、この後が怖くもある。

「ポピー……直球すぎて身も蓋も無いよ。もう少し評価しても良い部分とかあると思うんだが……」
「何よ……評価できる部分って?」
どうせ歌詞が素敵とかだと思う。

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