暁 〜小説投稿サイト〜
終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?赤き英雄
太陽の傾いたこの世界で
走る黒猫と灰色の少女
[8]
前話
[2]
次話
なのかは判断がつかなかったが、少なくとも、
妙
(
みょう
)
に
萎縮
(
いしゅく
)
していた先ほどまでよりは年相応に見える。
そして、今。
「わあー」
申し訳程度に設置された手すりから身を乗り出すようにして、分かりやすい
感嘆
(
かんたん
)
の声をあげている。
確かに、良い
眺
(
なが
)
めではある。間近に見ればごちゃごちゃしているだけのあの街並みも、遠く見下ろせば、
精緻
(
せいち
)
に描かれた
飾
(
かざ
)
り模様のように見える。
誰
(
だれ
)
に設計されたわけでもなく自然に広がっていったのだという路地のまがりくねり具合も、
俯瞰
(
ふかん
)
してみれば本物の生物のような
躍動
(
やくどう
)
感があるようにみえなくもない。
そこから少し視線を上げれば、港湾区画。浮遊島の
外縁
(
がいえん
)
の一部を金属で覆い、
飛空艇
(
ひくうてい
)
の発着に必要な設備を整えた、島にとっての
玄関
(
げんかん
)
に当たる場所。
そしてその向こう側には当然のように、
蒼
(
あお
)
い空が広がっている。
ここは、空の上だ。
かつて地上と呼ばれていた世界は遠く、様々な意味で手の届くところにはない。
[8]
前話
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ