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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
同学年序列3位
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あっさりと計算外の事態が起こり、俺は少し焦る。せめて紗友里の視界を一時的に封じられれば何か手を打てるかもしれないが、先ほどの閃光弾のように同じ手が紗友里に2度通じるとは思えない。


まだエンジンが掛かっていない状態の紗友里ならともかく、今のエンジン全開の紗友里は思考もクリアで目の前の事態に素早い対応ができる。


そうこうしているうちに地を這う氷が俺の足元まで数センチの所まで迫って来ていた。俺は逃げるのはここまでと区切って紗友里と正面からぶつかることにした。


俺は複数の魔法陣を同時に展開して、アサルトライフルを計6丁召喚する。一斉射撃で紗友里を狙うが紗友里はプロスケーター並のスケーティング技術で華麗なジグザグステップを見せる。銃弾はことごとく紗友里を捉えることなく外れていく。


(やっぱり上手くはいかないよな()()()()当てるなら。)

(今何発か私以外を狙ってた?)


俺が狙ったのは紗友里じゃなく地雷。プランAが失敗したから咄嗟に考え付いたプランBに作戦を変更する。弾丸は薄く張った氷の膜を貫通して地雷に当たった。

ズドーン.....ズドーン、ズドーン

地雷が連鎖爆発。そこから生じた煙が煙幕として機能する。紗友里はすっかり俺の居場所を見失った。だがそんな程度の時間稼ぎは無駄だ。


紗友里は風魔法を使って煙幕を掻き消す。俺は銃を召喚して彼女の顔に突きつけた。念の為に銃は空砲にしてある。前にも言ったが俺は紗友里を傷付けたくはない。


「王手だ。」

「..................解除。」


フィールドを解除してもとの家の廊下に戻った。すると雛がドアを開けてやって来る。


「お兄ちゃん、ごめんなさいした?」

「うん。ちゃんとしたこれで許してくれるか?」

「うん!雛許すよ。」


紗友里はまた雛を構う俺を見てムッとする。「はぁー」とまた大きなため息をついてから俺に八つ当たりを始める。


「もう!私もアンタの可愛い妹なんだから少しは手加減しなさいっての!このバーカ、バーカ!」

(過剰な自画自賛は見苦しいなぁ....。)

「雛はいいよ?ピュアだし可愛い。でもお前はダメ。ピュアじゃないし、可愛くない。」

「はぁ!?」


紗友里は雛のほうを見る。雛はというと「?」って感じの顔でこっちを向く紗友里と視線を合わせた。紗友里は何とも言い難いもどかしそうな顔をして部屋に戻った。どうやら気が済んだように見える。


「お姉ちゃん?寝るの?」

「お・や・す・み!」


ドア越しでもよく聞こえる「おやすみ」はこの場において嵐が去ったことを俺たちに伝えた。雛の代償魔法の練習も今日はここで切り上げ
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