第30話
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までそんな言葉をかけられる程落ちぶれていたとは、俺は俺自身が思っていた以上にどうかしていたようだな。」
「ぐっ……人がせっかく気を使ってやったのに、この男は……!」
「フフ、いつものお二人ですね。」
「ええ………あ……そう言えばサラ教官。特務部隊の”総大将”――――リィン特務准将が私達Z組のクラスメイト兼リーダー候補だったとの事ですけど、どうしてメンフィル帝国出身の人がZ組のリーダー候補だったんですか?」
「教官とオリヴァルト殿下はリィン特務准将殿の出自をご存知との事ですが……もしかしてそれと何か関係があるのですか?」
ユーシスの自分に対する毒舌を聞いてユーシスを睨むマキアスの様子をエマと共に微笑ましそうに見守っていたアリサはある事を思い出してサラに訊ね、ラウラも続くようにサラとオリヴァルト皇子に訊ねた。
「彼の出自とZ組のリーダーとの関係は大ありよ。リィン特務准将は”平民であり、貴族でもある”から平民と貴族が混じったZ組のリーダーとしてピッタリだったのよ。」
「”平民であり、貴族でもある”………?一体どういう意味なのだろうか。」
サラの説明の意味がわからないガイウスは質問を続けた。
「帝国貴族のラウラ君やユーシス君ならば知っているかもしれないが………エレボニアでも貴族が養子を取り、その養子に家督を相続させる事も認められているが……家督を相続させる為にはエレボニアの場合、大抵ある条件が必要だ。」
「”条件”、ですか……?それは一体どのような条件なのでしょうか?」
「…………引き取られた養子が”しかるべき血筋”である事だ。」
オリヴァルト皇子の話を聞いて疑問が出て来たジョルジュの質問にアルゼイド子爵は静かな表情で答えた。
「養子の家督相続の条件が”引き取られた養子がしかるべき血筋”である事って………」
「いかにも血統主義のエレボニアの貴族らしい条件ね。」
「そしてその話がリィン様の話で出たという事は………」
「まさかリィン特務准将殿は違うのですか?」
アルゼイド子爵の答えを聞いたトワは不安そうな表情をし、セリーヌは呆れた表情で呟き、静かな表情で呟いたシャロンに続くようにラウラは複雑そうな表情で訊ねた。
「ああ。―――12年前、ユミル領主であるテオ・シュバルツァー男爵が吹雪の雪山の中で見つけて拾った自分の名前以外は全く覚えていない出自不明の”浮浪児”………―――それがリィン君なんだよ。」
「それは…………」
「”尊き血”を重視するエレボニアの貴族達が知れば、間違いなく騒ぎ立てただろうな。」
リィンの出自を知り、ある事を推測したアルゼイド子爵は真剣な表情をし、トヴァルは疲れた表情でアルゼイド子爵が推測した内容を口にした。
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