暁 〜小説投稿サイト〜
北欧の鍛治術師 〜竜人の血〜
聖者の右腕V
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んだけど、なにか知らない?」
「知っているも何も、神への反逆の徒を一匹排除しただけですよ。この穢れた偽りの地に住まうものはすぐにこの島と一緒に沈むでしょう。少し早くそれほど苦しまず逝かせてやっただけでも感謝してほしいものですね」
「へぇ〜・・・島が沈むってどういうことで?」
「この島は人工島であるのは知っているでしょう?地盤というものがないこの島は波の影響を強く受けます。そこで建設されたのが島の振動と衝撃を引き受ける柱、即ちアンカーブロックです」
「それが?」
「ただの柱で長い年月島全体にかかる負担を受け止めきれると思いますか?」
「特に何も無い限り無理だわな」
「その『何か』こそこの島の下を流れるレイライン。正確にはレイラインが流れている場所に・・・」
「後から島を作ったってのが正しい、か」
「そうです。この島の設計者、絃神千羅は天才と言えるでしょう。しかし建設は難航しました。アンカーブロックが海に流れる剥き出しのレイラインの力に耐えられなかったのです」
「そこに、お前が求める何かが使われたってことか?」
「その通り。これ以上の問答は不要。あなたが私の邪魔をすると言うのならここで斬りますが」
「俺は別にここに住んでるわけでもねぇし愛着がある訳でもねぇよ」
「では」
「でもな、宣教師。魔族を反逆者扱いは似非(エセ)魔族としてはちとカンに触るんだわ」
「ほう。ならば」
「ああ。お前をここではっ倒す」
「よろしい!このロタリンギア宣教師ルードルフ・オイスタッハ、あなたに慈悲を与えましょう!」
「アルディギア宮廷鍛治術師(ブラックスミス)アインザック・フィリーリアス・スミス・カタヤ、推して参る!」
アインは拡張領域から自分の身長よりも長さのある戦斧(ポール・アックス)を実体化する。先端に槍のような刃と手斧の刃を取り付けたような長物は重量バランスが非常に悪く、水平に保持するのも中々に大変だがアインは震えることもなくしっかりと構えている。それどころか両手で回して弄びながら相手の出方を伺っているほどである。自分の手で打った武器は時間があるときにひとつひとつ全て振るって使い方を体に覚えさせているアインだからこそできる芸当だ。
「ふんっ!」
()ーー!」
オイスタッハが振り下ろした半月斧を柄で受けとめて弾く。その勢いと戦斧自体の重さを乗せてオイスタッハの腕に、肘から下を切り落とすつもりで当てる。が、目を焼くような発光と共に跳ね返された。
「??」
「我が聖凱の前に魔力は無意味!」
「てめ、厄介なモン着込みやがって!」
戦斧を量子化して次はハンマーを実体化する。戦斧同様長い柄の先端に合金製のハンマーが付いているデタラメに重い仕様だ。
()に刻まれし文字たちよ!」
柄から疾る魔力路を伝ってハンマーに刻
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ