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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第93話:人生、楽ありゃ苦もあるさ……でも苦労の方が多い気がする
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『良いのよ音程くらい外したって! だって私は
歌姫
(
アイドル
)
なのよ。可愛さ勝負で押し切れるの!』って聞く耳持たないんだよ」
マリーの言ってる
歌姫
(
アイドル
)
って何なの?
何で歌の方じゃ無く、容姿の方で押し切れると思ってるの!?
一体何を基準に
歌姫
(
アイドル
)
を構成してるの???
「更に問題なのがリュカさんからの指示だ」
「え、何? お父さんからも何か言われてるの?」
あんまりウルフを苦しめないで欲しいわ。
「俺もさ、マリーが歌唄いになるって決まってから、リュカさんに報告したんだよ。そしたらさ物凄く顔を顰めてさ……言葉に出して反対はしなかったけど、100%同意出来ない雰囲気を醸し出したんだ。でもマリーがやりたいって言った事を止める気はなく、俺と一緒に直ぐさまマリーの下へ赴いて、とある条件を突き付けたんだ」
「とある条件?」
「あぁ……世間に発表する歌の歌詞に制限を設けた」
「制限って何ですか?」
「リュカさんもマリーも、この世界には存在しない歌を唄ってるんだけど、歌が存在しないって事は歌詞の内容に存在しない物事が盛り込まれてる可能性があるんだ。個人的に歌うだけなら、歌詞の内容について説明義務も存在しないけど、金を取って発表する物になると意味の解らない事には説明義務が生じるってリュカさんが言うんだ」
「まぁそうね。私もお父さんの歌で、よく分からない歌詞が気になる事があるもの」
「そうなんだ。でもリュカさんには説明義務は無いから、仮に歌詞の内容について質問されても『知らねぇ。ノリで歌った』って言えば良いんだ」
「なるほど……お父さんにはそれで良くても、マリーにはそれじゃ問題が出てくるのね?」
「その通り。だからリュカさんは『世間に発表するのなら、この世界で常識になってる歌詞しか歌っちゃダメ』って言われたんだ」
「ふ〜ん……でも私が聴く限り、この世界でも通用する歌詞しか無いと思うけど?」
「それはマリーが歌詞の手直しをしてるからだ」
歌詞の手直し? この世界ではマリー発の楽曲なのに、既に手直しが必要って何だか混乱するわね。
「……んで、その手直しのチェックを俺が行う事になってるんだ」
「……………何でよ!?」
ウルフは関係ないじゃん。
「だってさぁ……俺が色々段取りしてデビューさせちゃったしさぁ……アイツが、人々が知らない単語の歌詞を生み出す理由を俺は知ってるしさぁ……この世界で通用する歌詞か否かを判定出来る頭脳の持ち主なんて俺以外に居ないしさぁ……」
「災難ですねぇ閣下も(笑)」
「笑い事じゃねぇんだよ! マリーも最初の内は頑張って歌詞の変更をしてたんだけど、段々面倒臭くなってきて『ねぇウルフ。テレビ作ってよ!』とか『携帯電話発明してよ!』とか、世の中をアイツの生み出
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