第2章
戦闘校舎のフェニックス
第15話 生徒会と顔合わせします!
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『そうだ。俺はおまえの中にいる』
いつの間にか、周りにいた部長や明日夏、松田と元浜、父さんと母さん、参列者の人たちがいなくなっていた。
人だけじゃない。周りの風景も、教会だった場所が真っ暗な空間になっていた。
何もかもが闇に消えた中で、ひときわ輝く赤い光があった。
「だ、誰だ!?」
『俺だ』
その言葉とともに真っ暗闇に飲まれた空間が、灼熱の炎によって照らし出され、目の前にそいつは現れた。
赤い光だったものはそいつの大きな目の瞳だった。
耳まで裂けた口には鋭い牙が何本も生えそろっている。
頭部には角が並び、全身を覆う鱗は灼熱のマグマのように真っ赤だ。
巨木のような腕、足には凶悪そうな鋭い爪。
そして大きく広げられた両翼。
そんな巨大な怪物、それが俺の目の前に現れた存在だった。
俺の知っているもののなかで一番似ているとしたら──ドラゴン。
俺の考えていることが分かったのか、目の前の怪物──ドラゴンが口の端を吊り上げたように見えた。
『そうだ。その認識でいい。俺はおまえにずっと話しかけていた。だが、おまえが弱小すぎたせいか、声が届かなかっただけだ。やっとだ。やっとこうしておまえの前に姿を現すことができた』
「何わけわかんねぇこと言ってんだ!?」
ずっと俺に話しかけていた? 姿を現す? 知らねぇ。そんなの知らねぇぞ! いったい俺に何をしようってんだ!?
『挨拶をしたかっただけだ。これから共に戦う相棒にな』
「相棒? おまえはいったい・・・・・・!?」
『おまえはもうわかっているはずだ。そうだろう? 相棒』
途端に左腕が疼きだす。
左腕に視線を移すと、俺の左腕が赤い鱗に包まれ、鋭い爪むき出しの異形な物になっていた。
「う、うあ、うああああああああああああああああ!?」
―○●○―
「っ!?」
目を開けると、そこは自室の天井だった。
上半身だけ起こし、左腕に視線を向ける。ごく普通の人間の形をした俺の腕だった。
夢、だったのか?
それにしては妙にリアリティがあったけど。でも、こうして俺の腕はなんともないから夢なんだろう。
「大丈夫、イッセーくん?」
俺の隣で横になっていた鶫さんが心配そうに話しかけてきた。
「うん、大丈夫だよ。ちょっと変な夢を見ちゃって」
それを聞いて鶫さんは安心したような表情をする。
──って、ん? ていうか──。
「なんで鶫さんが俺のベッドに!?」
夢の内容が衝撃的だったせいなのか、素でスルーしてたけど、別室にいるはずの鶫さんが俺のベッドにいるのはおかしいだろ!
「ん〜。イッセーくんと一緒に寝たかったから〜」
な、なるほど。そんな眠気を誘う日本語が
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