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ドリトル先生と悩める画家
第十二幕その十

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「太田君がスランプを脱出出来たし」
「それでだね」
「今日は美術館だね」
「美術館に行くのね」
「そうするのね」
「そうしようかな、皆と一緒にね」
 お茶のお代わりを自分で入れて言うのでした。
「楽しもうかな」
「それじゃあ時間があったら」
「その時はね」
「そうしようね」
「今日はそちらね」
「何かこの大学にいたら」 
 先生は二杯目のお茶を飲みつつほんわかとしたお顔でこうも言いました。
「色々な学問が出来るね」
「色々な人もいるし」
「そうした人ともお会い出来てね」
「色々とね」
「人生の学問も出来るわね」
「そうだね、人生自体が学問でね」
 そしてというのです。
「この大学にいるとね」
「その人生の学問も出来る」
「そうした場所よね」
「そう思うよ」
 実際にというのです。
「この大学は特にね」
「芸術についてもで」
「そういうところもいいね」
 こうしたことをお話してです、先生はいいというのでした。そして実際にこの日美術館に入って絵や彫刻を観ていますと。
 ふとです、美術館員の人が先生にこんなことを言ってきました。
「先生は芸術についても」
「はい、論文も書かせてもらっています」
「そうでしたね」
「この前も書かせてもらいました」
「そうでしたね、ではです」
「それでは?」
「実は論文の依頼をしたいのですが」
 こう先生に言ってきたのでした。
「宜しいでしょうか」
「論文のですか」
「はい、芸術学部と美術館で一緒に出している誌がありまして」
 それでというのです。
「次に出すそちらにです」
「僕もですか」
「書いて欲しいのです」
「それで何の論文についてですか?」
「はい、先生のお好きな芸術を」
「何でもいいのですか」
「何時の時代のどの国の誰のものでもです」
 それこそというのです。
「いいです」
「そうですか」
「はい、それでは」
「何を書かれますか?」
「そうですね、この前実はお話をしまして」
 それでというのでした。
「浮世絵にしましょうか」
「日本のですね」
「はい、そちらで宜しいでしょうか」
「はい、先生が書きたいと思われるものなら」
 それならというのです。
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