ダンジョンに命の使い道を求めるのは間違っているだろうか?
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『逝くな、伊月!!』
逝くな、か。もう遅い。オレは此処が限界だ。もう何処も動かせそうにないし、SDPも使えそうにない。そもそもオレのSDPは動けないと意味がないものだし、心にも入られてる。オレが最後に出来るのはコレだけだ。
『フェンリルの起動を確認。5秒後に作動します』
ベイグラントのコアだけは道連れにする。
「先、向こう、に。カ……ノン、今行く」
『フェンリル、作動』
「ベル、お互いに無理をしないって約束だったよな」
手に持つルガーランスをミノタウロスに突き刺しながら展開し、背中から胸に向かって魔石を抉り出す。
「イツキ!!」
「それにしても、ミノタウロスがなんでこんな階層にいるんだ?」
魔石をバックパックに放り投げながら疑問を口にする。
「分からない。逃げるしかなかったから」
「まあ、それが普通だろう。後ろからの奇襲でもない限り、逃げて正解だって。それより、なんか変なことが起こってるみたいだから引き上げよう。立てるか」
座り込んでいるベルに手を差し伸べる。手を握ったベルを引っ張り起こして簡単に怪我がないかを確認する。
「大丈夫そうだな。バックパックは捨てたみたいだな。まあ、命あっての物種だ。バックパック位、買い直せばいい。さっきのミノタウルスの魔石でお釣りが来るさ」
近くでオレ達のことを見ている人がいる以上、早めに立ち去りたい。確実にオレのSDPは見られたはずだ。まあ、オレのSDPはスキルと言い張れば誤魔化せるような物だから問題はない。むしろ一騎とザインのような同化・再生・強化、総士とニヒトのようなワームの使用の方が問題だ。
ベルと一緒にダンジョンを引き返しながら自分のこれまでを振り返る。
ベイグラントのコアとフェンリルで一緒に逝ったはずのオレは何故か島のミールと同化することなく、この世界に生まれ落ちた。人族の赤ん坊ではなくコア型に近い、マスター型の亜種のような存在として。まあ、何となくだが、オレが蒼穹のファフナーの世界に転生したみたいに、この世界に転生したんだろうが、基本的にロボアニメしか見てなかったオレには此処がどんな世界かわからない。
ファフナーの世界に産まれた時も偶々旅行に出ていた日本人の母親から産まれ、孤児になってしまったので人類軍に志願して道夫さんとカノンとトリプルドッグを組んでただけだしな。後は、カノンと一緒に竜宮島に帰化して戦い抜いて、第三次蒼穹作戦で限界を迎えてベイグラントのコアをマークアインのフェンリルで道連れにした。享年22歳。ちなみに発現したSDPは超加速。体感で10秒ぐらいの間を全ての物が止まって見える程の速度で動くことが出来る程度の能力。新種の同化現象は
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