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生徒会”執行部”と”捜査部” ~舞い散る桜STKとの出会い~
16.扉が閉まっているのなら窓から入ればいいじゃない。
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に嬉しそうに何度もお礼を言う古賀先輩と少し照れているのか頬が赤く染まっている曳鬼谷さん。
『ピギヤ?』
「あ…でも協力するのには条件がある」
「条件…れすか?」
「うん。ムヒのことだけど…」
条件というのは対して難しいものではなかった「ただムヒのことを黙っていてほしい」それだけだった。
基本的に寮でのペットを飼うのは禁止、それ以前に熊を飼うのは法律的にアウトのような気がする。
今は子熊で可愛いけど大きくなって大人になったらどうなるかわからないし…それでも曳鬼谷さんは最期までムヒと一緒にいたいらしい、大切な家族だから。
【で】
「今日は急に押しかけて悪かったな。特にこの阿呆が…」
チラリと古賀先輩の肩に担がれた会長を見る。頭を蹴られ気を失っているのでピクリとも動かず/話さず大人しい。もういっそのことこのままの方が静かでいいかもしれない。
「あはは…本当に。まさか窓から入って来るとは思わなかった」
「…驚きれす」
「どこでそんなスキル仕入れてきてんだって話だよな」
「「アハハハッ」」
楽しそうに笑う二人の横で春だけは笑わない。硬い表情のまま。
「また来るわ。おまえもたまには学校こいよー」
「また…れす」
「あたしが部屋を出るのはフィギュアとかムヒのご飯を買いに行く時だけですよー」
と見送ってくれる曳鬼谷さんを背中に感じながら、懐かしの寮を後にする。
【で】
外はもう夕暮れ、そんなに長い時間あの寮へ居たんだ…と浦島太郎状態。
「なぁ…風月」
自分たち住む寮への帰り道、不意に古賀先輩が話しかけてきた。
「なんれす?」
「笑わないよな、おまえ」
ドストレートの言葉だ。ストレートすぎてちょっと心に刺さって痛い…かも。
「そう……れすね」
「なんでだ?」
質問もドストレート。
「……笑いたくないから」
「なんで?」
「……なんででもれす!」
「あっ風月!」
もうこの会話はしたくなくて/ここに居づらくて、春は駆け出す。何処へ向かうわけでもなく。
残された古賀先輩は
「オレまたやっちまった…のか?」
「ほんっつつとデリカシーがないねコガジュンわん!
一級フラグ建築士なのに朴念仁でデリカシーをお母さんの子宮の中に忘れてきちゃうなんてダメダメじゃん!」
「…盗み聞きとはいい趣味だな」
「えへへよく言われますぅ〜」
「よく言われちゃ駄目だろ…たくっ。起きたなら自分で歩け、重い」
「えぇ〜〜ヤダー! このままボクの部屋まで連れてってハニー!」
「誰がハニーだ」
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