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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第633話】
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てる!?』
『あぁ……生きてるさ。 何かあったか?』
『えぇ! 次元震動波の予兆を感知したわ。 何処に跳ばされるかわからないけど――』
『構わない、既にこの世界に未来は無い。 血で血を洗う戦争で既に地球上から二十億という人間が死んだ。 俺に立ち向かう者も含めてな……』
通信を続けながらヒルトは地表に降下する――物言わぬ屍、四肢が無くなり、主を失った頭部が転がる地獄。
これ等はヒルトが殺した者だけじゃない、戦争で犠牲になった者たちも含まれていた。
全裸で打ち捨てられた女性の姿もある、面白半分に犯された女性だろう――これ等の女性は大半は捕虜となった者たちの成れの果てだった。
嘗て女尊男卑に支配されたその世界はまた逆転――女が搾取される側に移っていた。
『予定地点は何処だ?』
『待って――予定地点はIS学園跡地よ』
『了解。 お前も合流しろ、良いな?』
『うん。 ……でも兄さん、シャルロット・デュノアはどうするの? まだ彼女のコアの破壊は――』
『……構わない、放っておけ』
それだけを告げ、ヒルトはチャネル通信を切る。
ヒルトにシャルロット・デュノアは殺せない――彼が唯一愛した女性だからだ、オリジナルのコアの破壊はヒルトに課せられた使命であり《ロストチルドレン計画》の生き残りとして《ロストナンバー》である機体を駆り、駆逐してきた。
彼の手は血に染まっている。
嘗ての恩師を手にかけ、世界を混沌の渦に巻き込んだ篠ノ之束と付き人のクロエ・クロニクルを殺害、各国の代表すらコアと共に命を刈り取る死神――。
もうヒルトを知る嘗ての専用機持ちで生き残っているのはシャルロット・デュノア、更識楯無、更識簪ぐらいしかいなかった。
他の専用機持ち――セシリア・オルコットや凰鈴音、ラウラ・ボーデヴィッヒは戦死、開戦初期の不意討ち、暗殺、数の暴力で殺られていた。
彼女達が駆ったISコアはその後にヒルトが破壊――織斑一夏、篠ノ之箒は姉の敵討ち、そして世界すべてを敵に回したヒルトを打ち取るべく出撃しそのまま帰って来ることはなかった。
理由は無論ヒルトに殺害されたからだ――。
音速による衝撃波を周囲に撒き散らせ、ヒルトは進む――IS学園跡地に。
暫くして到着したヒルト、眼下に広がる無惨に朽ち果てたIS学園、レゾナンスを要する街並みも無く、瓦礫が散乱する荒廃した街になっていた。
日本は占領されたのだ、アメリカに――。
「兄さん」
「来たか……次元震動波予定時刻は何時だ?」
「後十分よ」
「成る程……。 ではそれまでは彼等の相手をするとしようか」
遥か遠方から見える空中戦艦、其処から
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