第27話
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様子をアルゼイド子爵は心配そうな表情で見つめていた。
「あ、あの……クロウさんを生かして頂けるという事は和解条約でメンフィル帝国に引き渡される事になっているヴィータ姉さんの命も助けて頂けるのでしょうか……?」
「”蒼の深淵”の処遇の件については既に答えたでしょう?――――レーヴェのようにメンフィルに寝返れば、命は助けるって。だからもし本当に”蒼の深淵”を助けたければ、エマお姉さんが頑張って”蒼の深淵”を説得する事ね。」
「それは………」
「プライドの高いあのヴィータをメンフィルに寝返らせるように説得するなんて、どう考えても不可能よ。」
自身の質問に対して答えたレンの答えを聞いたエマは辛そうな表情で答えを濁し、セリーヌは疲れた表情で呟いた。
「それとZ組のみんながレン達の指揮下に入るんだったら、みんなが望めばメンフィルの諜報部隊が手に入れた最新のエレボニアの情報を好きなだけ開示してあげるわ♪」
「メ、”メンフィルの諜報部隊が手に入れた最新のエレボニアの情報”を好きなだけ開示して頂けるという事は………」
「メンフィルは戦争の時にエレボニア帝国全土に投入した諜報部隊をまだ撤退させず、情報収集や破壊工作をさせているんだ〜?」
意味ありげな笑みを浮かべたレンの答えを聞いてある事を察したトワは不安そうな表情をし、ミリアムは真剣な表情でレンに訊ねた。
「うふふ、戦争の時と違って破壊工作は一切していないわよ?」
「ハハ……”破壊工作はしていない”という事は情報収集は続けているという事だからエレボニアの防諜は丸裸で、メンフィルの諜報部隊によってエレボニアの様々な情報が漏洩し続けているようなものじゃないか………」
「クッ………!」
レンの説明を聞いたオリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、クレア大尉は唇を噛みしめた。
「クスクス、肝心な時は”役立たず”の上限られた情報しか開示しない”情報局”と比べたら、レン達が信頼するメンフィルの諜報部隊に情報収集を続行させた方が何倍も効率的でしょう?」
「”情報局”が”役立たず”って……幾ら何でも言い過ぎじゃありませんか?」
レンの話を聞いたジョルジュは不安そうな表情でミリアムに視線を向けた後レンに指摘した。
「事実じゃない。”貴族派”や”帝国解放戦線”の動きを察知できず、むざむざと”鉄血宰相”が狙撃された挙句ユーゲント皇帝達は”貴族派”の手によって落ちたし、内戦勃発までに起こった”帝国解放戦線”によるテロ活動もほとんど後手に回っていたじゃない。」
「それは…………」
「”貴族派”による妨害もあった上”情報局”は”鉄道憲兵隊”や正規軍と比べると人は圧倒的に少ないんだから、何でもかんでも情報局のせいにしないでよ〜!
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