第26話
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レンの推測と忠告にアルゼイド子爵は目を伏せて黙り込み、複雑そうな表情で答えを濁していたラウラはすぐに表情を引き締めてフィーに視線を向けて訊ねた。
「…………ん。少なくてもレグラムは猟兵にとっては襲撃しやすい場所。街道方面はレグラムと隣接しているバリアハート地方をメンフィル軍が哨戒しているから難しいと思うけど、湖からの襲撃なら夜の闇に紛れたら、割と簡単。しかも今のレグラムは霧も濃いから、霧を利用しての襲撃も十分に考えられる。」
「そうか…………」
「レン皇女殿下の仰る通り、拠点にする場所はよく考えた方がよさそうですわね。」
フィーの答えを聞いたラウラは重々しい様子を纏って頷き、シャロンは静かな表情で呟いた。
「次に”補給”の問題よ。」
「へ………ほ、”補給”ですか?」
「補給なら、そっちが軍資金として7億ミラをボク達にくれるんだから、その軍資金を使えば問題ないと思うのだけど〜?」
レンの口から出た意外な指摘にエリオットは呆けた声を出し、ミリアムは反論した。
「あのねぇ………内戦で物価が高騰している影響で、肝心のお店に食料を始めとした”商品”も平時と比べると数や種類も少ないのよ?しかも貴族連合軍は徴収までしているから、お金はあっても肝心の補給物資がお店にない可能性も考えられるわよ。」
「そ、それは……………あの、レン皇女殿下。軍資金として7億ミラをZ組のみんなに提供してくれるとの事ですが、軍資金の一部を”軍資金の金額に相当する現物を支払ってもらう事”でも構わないでしょうか?」
「あら…………」
「ほう………」
「へえ?」
レンの指摘に複雑そうな表情で答えを濁していたトワだったがある事を思いついてレンに訊ね、トワの問いかけを聞いてトワの考えを悟ったセシリアは目を丸くし、サフィナは感心し、レンは興味ありげな表情をした。
「トワ?それって一体どういう事なんだい?」
「うん。メンフィル帝国から提供してもらえる軍資金の一部の代わりに”軍資金の金額に相当する現物”――――つまり食料を始めとした補給物資を用意してもらうって事だよ。」
「あ……っ!」
「なるほどな………確かにそれなら、補給についての心配はなくなるな。」
「ええ、一部とはいえ、間違いなく莫大な量になるでしょうから、正直な所少しでも構いませんから我々正規軍にも分けて欲しいくらいですね。」
「ハハ、話に聞いていた以上にとても優秀な仔猫ちゃんだね♪」
ジョルジュの質問に答えたトワの答えを聞いたアリサは声を上げ、トヴァルの推測に頷いたクレア大尉は苦笑しながら呟き、オリヴァルト皇子は感心した様子でトワを見つめていた。
「和解条約書では軍資金をZ組のみんなにあげる事に
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