第五話 決意と恐怖
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た腕をパージし、グレイズ二機は距離を取る。
「もっと離れろ!逃げるんだよ!」
「でも!今がチャンス────」
「いいから逃げろ!死にたいのか!」
そう言うと、二機のグレイズのパイロットはモビルアーマーに背中を向け、戦闘空域を離脱した。
よし。それでいい。
逃げればなんとなる。まずは生き残る事を考えるんだ。
「そこのグレイズ!お前も早く離れろ!」
「お前じゃねぇ!
グラン・マッカート二尉だ!」
俺より階級、下じゃねぇか!と思いつつも怒りを抑えジキールは。
「私は、ジキール・ストロン少尉だ。グラン二尉!モビルアーマーから離れろ!これは命令だ!」
「んなの知るか!俺は、コイツをぶっ壊すんだよッ!」
グランは完全に我を忘れていた。
ジキールの言葉に耳を傾けず、目は弱点と思われる背面装甲だけを見ていた。
他の部位より、脆い。
攻撃を加えても弾かれず、モビルアーマーは反撃もしてこない。
これは好機。好機なんだ。
グランはそう自分に言い聞かせ、無我夢中にグレイズを操作する。
余計な事は考えるな。ここはヤツの弱点だ。攻撃し続けろ。そうすればコイツをぶっ壊せるんだ。
モビルアーマーは微動だにしない。
攻撃を避けようとせず、自身の背中で暴れ回っている(飛び回っている)蝿を無視した。
「変だ……」
距離を置き、少し離れた地点からモビルアーマーを見ていたジキールは呟いた。
先程まで、モビルアーマーはモビルスーツには興味を示さず、攻撃しても、反撃する事は無かった。だが、攻撃を加え続け、モビルアーマーも流石に鬱陶しいと感じたのか反撃してきた。そしてヤツは攻撃対象をモビルスーツに移した。だが、今のヤツはどうだ。
一方的に攻撃され、反撃することなく、その場に立ち尽くしている。
コイツはどういう仕組みで動いているんだ?
モビルアーマーは殺戮を目的に造られた兵器だ。生きた人間とエイハブリアクターを積んだモビルスーツのみを攻撃対象とする。
話によれば、モビルアーマーの最優先攻撃対象は人間で、モビルスーツは二の次らしい。モビルスーツも攻撃対象に含まれているらしいが、それよりも優先すべき対象は人間。モビルアーマーの狙いは、あくまで人間なのだ。
「まさか、生きた人間を探してるのか……?」
この街の人々も、そろそろ避難を終える頃だ。今、まとまった生きた人間をモビルアーマーが見つければ、どうなる?
考えるまでもない。
モビルアーマーの目はコチラを向いていない。
ということは今の攻撃対象は────。
「グラン二尉!
ソイツをそろから一歩も進ませるな!」
まずい、避難が完了するということは人が密集しているということだ。
もし、そこを発見され狙われれば……。
「
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