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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第三の牙
第五話 決意と恐怖
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動じない。
 絡み付く尾の力は段々と強くなっていき、グレイズの装甲はひしゃげていく。それを助けようとしていたグレイズ二機も腕を絡め取られ、身動きを封じられた。
 「くっそ!なんて、パワーだ!?」
 全身を尾で絡ませたグレイズはメキメキッと嫌な音を立てて変形していく。
 「脱出しろ!」
 「む、無理だ!。脱出装置が、作動しねぇ!?」
 整備不良。いや、モビルアーマーの尾でコックピット付近を締め付けられ、作動出来ないのだろう。
 グレイズは更に変形していく。
 「ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!?
 か、壁が、迫ってくる。嫌だ嫌だ嫌だ!こんな死に方────嫌だ!!!!!!!!」
 ブチっ。
 その音は、まるで、トマトを握り潰したような音だった。モビルアーマーは見る影も無くなったグレイズを尾で引きちぎる。
 いとも容易く。割り箸を折るように。
 「こんのォ!!」
 腕を絡め取られた二機のグレイズは必死に足掻く。
 絡め取られていない片腕で、モビルアーマーの尾を引きちぎろうとするが。
 「硬ぇ!」
 モビルアーマーの尾はちぎれない。
 二機のグレイズの力を持ってしてもモビルアーマーの尾はちぎれないようだ。
 「巫山戯やがって!」
 モビルアーマーの背中に飛び移った勇敢なパイロットは怒りに任せ、グレイズを操作する。
 腰にマウントされているアックスを取り出し、背中に叩き付けた。その一撃は弾かれることなく、モビルアーマーの装甲に傷を付けた。
 「背中が、弱点か!」
 更に一撃。もう一撃とグレイズはアックスを振るう。
 だが、モビルアーマーは自身の背中に乗ったモビルスーツに目を向けることは無かった。
 勇敢なグレイズは好機と判断し、更に連撃を重ねる。
 しかし、それは勘違いだった。
 これは好機でも何でもない。モビルアーマーは攻撃を加えてくるモビルスーツに興味が無いのだ。
 離れた距離から見れば解る。
 ジキールはそれを見て、あの瞬間を連想した。
 このままだと、隊長の二の舞だ!
 「離れろ!そのままだと────」
 「うるせぇ!これはチャンスだ!
 今が、チャンスなんだよ!」
 ジキールの忠告を聞き入れず、グレイズはアックスを振り続けた。
 「見ろよ。コイツは背面装甲がヤワいんだ。ここを攻撃してりゃあ、コイツを、モビルアーマーを倒せる!」
 攻撃が通じるからといって弱点とは限らない。
 それでも、背面装甲なら通じる。今まで何処を攻撃しても傷一つ付かなかったモビルアーマーの装甲にダメージを与えられる。
 ここを攻撃すれば倒せると。勇敢なグレイズのパイロットは慢心しているのだ。
 このままだと取り返しがつかない。
 「腕を外せ!
 ここから離脱しろ!逃げるんだ!」
 モビルアーマーの尾に腕を絡まれてい
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