第五話 決意と恐怖
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モビルアーマーを殴るのだ。
ダメージなんて期待できない。
寧ろ、素手で攻撃しているグレイズの方がダメージを追っていった。
それでも、彼は諦めない。
グレイズの拳が無くなろうと腕で殴る。
グレイズの腕が無くなれば脚で蹴る。
腕も脚も無くなったら頭突きだ。
そういう意気込みで、彼はグレイズを操る。
負けたら終わり。勝てるかなんて解らない。でも、ここで負けたら更に被害が拡大する。それだけは阻止せねばならない。
そして、その羽音(攻撃)を鬱陶しいと感じたのか、モビルアーマーはゆっくりとグレイズの方に振り返る。
「こっちを見やがれ!」
モビルアーマーの攻撃対象が、モビルスーツに移ったのだ。
「各機に通達!
モビルアーマーの攻撃対象が、モビルスーツに移った。距離を取れ、ここから離脱しろ!」
モビルアーマーは鬱陶しい蝿達(モビルスーツ)を凝視する。そして、モビルアーマーは。
「散開しろ!
殿は俺が────」
務める。そういう前に、モビルアーマーは動き出した。
目の前から、モビルアーマーが、消えた?
ジキールはモビルアーマーから一瞬も目を離さなかった。それなのに、モビルアーマーの姿はない。周囲を見渡し、確認するが、ヤツの姿は見当たらなかった。
「何処だ!?」
あの巨体だ。そんなに速く、動ける訳ない。よく探せ。よく見るんだ。
「────ギャァァァァァァ!?」
仲間の悲鳴。
後方、離脱中のグレイズのパイロットの悲鳴だ。
そこには、グレイズの腕を尾で絡ませたモビルアーマーの姿があった。
「あんな所に!?」
馬鹿な、あの一瞬で?
ここからあのグレイズまでの距離は800m程。モビルスーツのブーストなら一瞬で移動できる距離だ。だが、アレはモビルアーマーだ。その大きさはモビルスーツの比ではない。現状を見る限り、あの巨体を誇るモビルアーマーはモビルスーツと同等、それ以上の推進力を持っていると推測される。
「逃げろ!離れるんだ!」
「だ、駄目だ。機体が、機体が、動かねぇ!」
グレイズの全身はモビルアーマーの尾に絡まれていた。
あのモビルアーマーの尾はモビルアーマーのパワーでも破れないようだ。
「ソイツを離せ!」
撤退中のグレイズ数機はモビルアーマーの尾を引き離そうと接近する。
「お前達は逃げろ!
もう、ろくな武装も残ってないだろ!」
「けっ。仲間を見捨てるくらいなら死んだ方がマシだぜ!」
勇敢なるグレイズのパイロットはモビルアーマーに突貫した。
一機のグレイズはモビルアーマーに飛び移り、モビルアーマーの背中を殴りまくった。
二機のグレイズは拘束された仲間のグレイズを助けようとモビルアーマーの尾を引っ張った。
だが、それでもヤツは
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