第五話 決意と恐怖
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
────ッ。────────ンッ────…────ッッ!?────────────……────ン……────ッ────。
その衝撃は凄まじかった。
躰が……潰れる。息が、出来ない。
目を開けられない。何も見えない。
躰が、重たい。重たい。重たい。
ひ。
か。
り。
「あっ」
見えた。目を閉じていても分かる。
太陽の光────眩しい。
瞼を開く。そして、見えた太陽の光を反射した建物の残骸。
これ、全部。アイツが、やったのか?
ここら一帯は超高層ビルで埋め尽くされていた。なのに、今、俺の視線の先はどうだ。ビルなんて一つもない。有るのは、そびえ立っていた筈の超高層ビルの残骸だけだった。
「…………」
なんとも言えない心情だった。
地上に降下している最中、地面に着地するまで、俺は一度も瞼を閉じず。ただ、その風景を目に焼き付けていた。
ドシンっ!ガンダム・バルバトスは地面に着地した。
「…………」
周囲は建物の残骸で埋め尽くされ、それ以外は何も残っていない。
俺は、その光景を見て「悲しい」とか「怖い」とかは思わなかった。
なのに、俺は瞼を閉じることなく、周囲を見続けていた。悲しくないのに何故?
怖いとも思っていない。てか、怖いとか思ってたら目を背けているだろう。
この景色を見て、どうとも思わない俺って、やっぱりイカレてるのかな。
悲しくも、苦しくも、痛くも、なんにも感じない俺って狂ってるのかな?
数度、自身に自問自答し。答えを導こうと努力する。でも、やっぱり。
「やっぱ、解んないな」
答えは出なかった。
苦しくもなければ悲しくもない。
当然、嬉しいとか楽しいとも思わなかった。
何も感じない。
でも、するべき事は解ってる。
視線の先。今も尚、暴れ続けているモビルアーマーをぶっ壊す。今は、それだけしか頭の中に無かった。
「このッ!このッ!」
グレイズのパイロットは目の前のモビルアーマーに向けてライフルのトリガーを弾く。
その弾丸は全て、モビルアーマーに命中し。モビルアーマーの行動を不能にさせる、筈だった。
「チクショウ!なんで、倒れねぇんだよ!」
奴はノロマで、ライフルの弾丸を避けようとはしない。
だから撃って、撃って、撃って、撃ちまくった。
弾切れを起こせば、リロードして標的を撃つ。それの繰り返しだ。大体のモビルスーツなら、これだけで木っ端微塵に出来るだけの弾丸を放ち続け、遂に。
「弾切れ、だ」
全ての弾丸を使い切った。
嘘だろ?有り得ない。なんで、アイツはあんだけ弾を喰らってピンピンしてやがんだよ?
なんだ?なんなんだ?こりぁ、質のわりぃ夢か?
そうか
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ