ウィザード・トーナメント編 前編
雷帝と花姫
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れが一番多いように思える。またこの魔法は唯一、自身の身に纏うことが可能な魔法である。
魔法としては古いものほど用途が広く、規模と魔力消費量が多い。代償魔法、召喚魔法、属性魔法の順番に新しくなり、属性魔法がもっとも新しい。
なぜ新しくなるにつれて用途と規模が抑えられてきたのかというと、それだけ人の魔力コントロール能力が向上し、使い方や使える規模などを細かくコントロールすることができるようになってきたからだ。
「雷神よ!悪しき敵を切り裂け!」
「審判の雷鳴!」
(......勘弁してくれ.....。)
「ふぅ......決まったぞ!」
イザベルは相当調子が良いのかまるで一仕事終えたかのように清々しい顔をしている。確かに雷魔法を10発も続けて発動したのだから、消費した魔力量は既に俺の持つ魔力量よりも多いだろう。
その日の特訓はそこで終わった。運動は根を詰め過ぎるとかえって逆効果になるのと同じように魔法の特訓も根を詰め過ぎると回復に手間取って逆効果になる。
イザベルと別れた俺はいつも通り庭園に向かった。放課後の庭園は昼間ほどの人気はない。しかし、ラブラブのカップルなんかは放課後にここでイチャイチャしてたりする。俺としては割と気分を害するわけだ。
「ん.....?」
(あの子は.....。)
俺の目には先日、庭園の花に水をやっていた一人の少女が写り込む。結局、目に止まったあの日以降庭園に行っても彼女に会うことはなかった。故にここで会えたことには少なからず運命のようなものを感じた。
しかもよく見るとかなり美人だ。ここで俺の悪い心が働き、彼女に話しかけてみることにした。しかしいざ話し掛けようと接近を試みると、その気配を感じ取っているのか距離を取られる。仕方なく声を掛けて止まってもらうことにした。
「ちょっと待ってくれ。」
その一言を聞くと彼女は立ち止まる。そこに俺が追い付き、彼女とコミュニケーションを試みる。振り返った彼女の姿は儚さ故の美しさを感じた。真希乃や伊豆奈、美湖、イザベルのような「普遍の美学」とは対極とも言える「朽ちていく故の美学」というのが表現としては合っていると思える。
「私に何か用ですか?」
声も聞き取りやすい優しい声だ。敢えて言うが、俺がこんな他人からひかれるくらい彼女を評価するのは、それだけ彼女を魅力的だと思っているからであって、過剰な下心は持っていない。「過剰」なんて言い方をしたのは下心が皆無ではないことを間接的に証明するためだ。
「ここの花は放っておいても咲き続ける。マーリン学園長の魔法でそ
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