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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第628話】
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「でも……ちーちゃんが暮桜を使わなかったのは残念にゃ……。 ……そういや、京都上空で他にも戦ってたけどくーちゃんデータあるかにゃ?」

「えぇ、一部空域は強力なジャミング波で撮れませんでしたが……上空で束様の開発した機体を破壊したのは……」


 そう言って映し出されたディスプレイにはイルミナーティ総帥であるウィステリア・ミストが映し出されていた、シャルトルーズはウィステリアの機体でその姿が隠されている。


「……やっぱうぃっちーが妨害したのにゃ〜。 くーちゃん、うぃっちーのデータあるかにゃ?」

「それが……束様。 彼の生い立ちや何故ISが扱えるのかという情報は全く無いのです」

「……どういう事かな、くーちゃん?」

「登録されていないのです。 世界各地、何処のデータバンクにもありませんでした」

「……ふぅん。 ……まあでもあの銀髪に《ロストチルドレン計画》を知っていたって事は多分関係者の筈――月の落とし子《ローレライ》……。 そういやさ、あのイレギュラーも銀髪だったのにゃ」


 新たに映し出されたのは有坂ヒルトだった、白騎士と戦った時の映像だった。


「ん〜。 こいつも銀髪、うぃっちーも銀髪……。 ……まあいっか」


 深く考えても仕方ないと思ったのかディスプレイの映像を消した束、ふとクロエは疑問に思った事を聞く。


「話は変わりますが束様。 どうしてISをお作りになられたのですか?」

 紅茶を一口のみ、静かに口を開いた束。


「……女の子を羽ばたかせたかったんだよ」


 力なき弱者に力を与え、翼のない人に飛ばせる力を、言葉なき者には、力強く話せる言葉を――だが実際の話、束はそこまで考えてはいなかった。


「束様、次はどうしますか?」

「ん〜。 今回の騒動、妨害にあったからにゃ〜。 本来なら混沌渦巻く世界にしてからだったけど、前倒しで次のステージに進めないとねぇ」


 紅茶を飲み干し、束は笑顔になり――。


「次はアメリカ、もらっちゃうよ♪ でも……先にやっぱ、ロストイレギュラーの排除と、いっくんの抹殺かにゃ〜♪」


 屈託なく笑う篠ノ之束、静かにクロエは頷いた。

 学園へと戻った一同、だが有坂夫妻と笹川成樹の姿はなかった。

 正式に転入するにしてもまだ暫くは時間が掛かるという事でこれからの学園生活に必要な物を用意するため、一旦自宅に戻った。

 有坂夫妻は学園関係者としての付き添いだ、三人目の男の操縦者――各機関が何らかの行動を起こす可能性も否定できなかった。

 それはさておき、IS学園の正門ゲートで待っていた布仏本音が大きく手を振って出迎えた。


「ひーくん〜〜〜〜〜〜、おかえりんりん
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