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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第七十一話 口喧嘩
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とホアンの声が重なる。トリューニヒトもシトレも生真面目な表情をしている、冗談を言っているわけではないようだ。ホアンの顔を見た、腑に落ちないといった表情をしている。多分自分も同様だろう。今度はトリューニヒトが言葉を続けた。
「フェザーンを帝国の自治領ではなく、正式に独立させる。こちら側に引き寄せるのさ」
またホアンと顔を見合わせた。今度は難しい表情をしている。
「本気か? トリューニヒト」
「本気だよ、ホアン。今ヴァレンシュタイン達が艦隊を率いて訓練に向かっている。場所はランテマリオ、フェザーンからは遠くない。ヴァレンシュタインはルビンスキーと接触するつもりだ」
「つまり、これはヴァレンシュタインの考えなのか」
声が掠れた。慌ててワインを一口飲んだ。そんな私をトリューニヒトとシトレが笑みを浮かべて見ている。
「その通りだ、彼はフェザーンを取り込もうと考えている」
「可能なのか、そんな事が」
「さあ、どうかな。ただ彼は口喧嘩では誰にも負けないからな」
そう言うとシトレが笑い出した。トリューニヒトも笑っている。私とホアンは笑えずにいる。
一頻り笑った後、シトレが表情を改めた。
「帝国がこちらの動きに気付けば、次の戦いはフェザーンを巡る戦いになるだろう。大きな戦いになるだろうな、イゼルローン要塞等どうでも良いくらいの大きな戦いだ」
そう言うとシトレが笑い出した。そして笑いながら言葉を続けた。
「故に我戦わんと欲すれば、我と戦わざるを得ざるは、その必ず救う所を攻むればなりだ。あの男は根性悪の天才戦略家さ、帝国軍を無理やり引き摺りだして決戦するつもりだ。レベロ、戦費の調達を頼む、ケチるなよ、賭け金はフェザーンとフェザーン回廊なんだからな」
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