最終章
最終節―全ての救い―
”鎖”と”枷”
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
0、HP・MP1000万、それ以外は150万”のステータス限度である“鎖”である。
これを行うことで、まず生物は神や天使に刃向うことすら出来なくなった。
そしてこれが、“デウスから生まれた神が知る事実”。
「“鎖”の方はアルティマースから聞いたし、俺自身も成長していないことを何となく感じていたから分かることだった…。問題は“枷”だな」
「到底君がここまでの道に知る要素は無いと思っていたんだけどね」
ウィレスクラの言葉に、蒼也は目を何度か瞬きさせると唐突に吹き出す。
笑いを抑えきれないといった風の蒼也を見て、ウィレスクラは怪訝そうに眉を動かした。
「お前、それ本当に言っているのか?だって、“最初から”視覚化してるじゃないか、その“枷”を」
「…この世界を買うのはゲーマーだけだと予想したからね、基本君たちはゲームの固定概念に縛られて気付くはずもなかったんだ」
2つ目の“枷”。
それはこの世界…FTWを運営、管理するための“システム”そのものだった。
アイテム、ステータス、スキル等々…それらはあくまで“ウィレスクラ”が要素を追加し、視覚化した“枷”すぎなかったのである。
「まぁ、言っても俺がこの疑問の答えを導き出せたのは最後の最後…ソウヤが死ぬ最後の一瞬だった。これを導き出せなきゃ俺はあのまま死んでいたよ」
「死ぬ直前の鎮静化した脳だからこそ、原初に立ち返って見返せた…という訳か。やっぱり“人”というのはこれだから笑えない」
どこまで想像の一歩上を歩んでくる…とウィレスクラは空虚に向けて愚痴った。
当然だ、蒼也が最後“システムが枷”だと気付けていなかったらそのままウィレスクラの勝利となって終わったのだから。
「お手上げだよ、僕は全てを理解した。その上で言わせてもらうよ…“現世界神の負け”だ」
上を見上げ、両手を上げるウィレスクラ。
そう、ソウヤが蒼也となった時点でウィレスクラに“勝ち”はない。
何故なら――
「おめでとう、蒼也君。君は“第二の全て知り全て能う存在”と至った」
――“本当の人間”として“神の世界”に足を踏み入れた瞬間、蒼也は上位の存在へと昇華されたのだから。
ウィレスクラは“現世界神”ではあるが、“全て知り全て能う存在”ではない。
どの神よりも強く高い場所に居るが、原初の神には敵わないのだ。
“現世界神”でさえもデウスの権能の一部にすぎないのだから。
故に、ウィレスクラは勝てない。
人間以上に、この世界は上下関係を崩すことはできないのだ。
「…でもね」
「――――」
それでも、とウィレスクラは蒼也に…“第二のデウス”に目を向ける。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ