最終章
2節―反逆決戦―
その力を持ってイチをなす
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今までの勇向の行動すべてが、“時間稼ぎ”であったということを。
ガブリエルが危機に陥っているのを確認したラファエルは、すぐさま首元に手を当て言の葉を発した。
「“癒されろ”、深――」
「――こっちを見やがれ!『偽・全て浄化する火神の魔装』ッ!」
だが、それをナミルは許さない。
浄化の炎を纏い、自身の体を再び焼いていく。
それを見たラファエルは、彼女を“癒さなければならない”のだ。
「てめぇ、また自分を……!」
「おら、癒せるのなら俺の体に染みついた血も癒してみろ!『神の癒し』!」
ラファエルが自身の援護に回れないことをガブリエルは察すると、憎々しげに深春を見る。
天使が発しているとは思えないほどに濃密な殺気を真正面から受けながらも、深春は涼しげに笑い「良いんでござるか?」と挑発した。
意味が解らず眉を潜ませるガブリエルに、深春は自身の首を親指でちょん切る真似をする。
「死ぬでござるよ?」
「『偽・全て突き殺す海神の一撃』」
唐突に聞こえる声に、ガブリエルは驚きその声の方へ顔を向けた。
そこに佇むのは霧で自身を覆うレーヌの姿。
周りに“5つのガブリエルの心臓”を創り上げ、上空には同じく“5つの三又槍”。
気付く、気付いてしまう。
彼女たちが自身の弱点に気付いたのを。
「“全て護り防ぐ七輪の百合”!!」
「――死になさい」
すぐさまガブリエルは“残った4枚の百合の花”を同時展開し、合成し1つの概念へと進化させる。
それと同時にレーヌはガブリエルの擬似的な心臓を5つ破壊した。
直後、4枚組み合わせた障壁に、これまでにない圧倒的な重圧が掛かる
当然だろう。
今4枚の百合の花が受けているのは、5つの死の呪い。
普通ならばキャパシティを軽く超えているものに対して、ガブリエルは無理やり4つを組み合わせることで耐えきっているのだ。
徐々に零れていく障壁。
けれど、この攻撃に耐え切れば勝機がガブリエルには見えていた。
―何度も『神技』を使用した障害で、“申し子”の魔力量はもう無いはず。これさえ凌げれば素の力で“申し子”は熾天使には勝てない……!
先ほどまでの敬語はどこに行ったのか。
敬語を使うほどの余裕を完全になくしている、ということなのだろう。
――周りを冷静に考えられるほど余裕がない、ということなのだろう。
そして、遂にガブリエルは勝利する。
5つの死の呪いを4つの百合の花で耐えきって見せた。
「や、った……!」
息を切らし己が力を賞賛
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