最終章
2節―反逆決戦―
さぁ、反逆の旗を上げろ
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は知らない、恐れは消えない、恐れと立ち向かえ。
怖いけれど、弱いけれど、向かないけれど、僕は立ち向かう。
それが、彼が目指したもののはずだから。
「遅れてすまない、皆――」
剣を掲げ、声高らかに、その瞳に意志を宿し、“希望”と成る!
「――僕は『勇者』。『勇者』の勇向だ」
目の前に立ちはだかるのは、一度立ち向かって相討ちとなった天使……その更に格上。
それでも、立ち向かうことは止めないし勇気を振り絞ることは止めない。
僕は勇者だから。
剣を熾天使2人へ向け、僕は笑う。
「さぁ、次の相手は僕だ」
今の僕では普通の天使でさえ、相手取るのがギリギリだ。
あくまで僕の力は普通を越えているだけであって、超常に至った訳では無い。
上級魔族と渡り合えるけれど将軍魔族には敵わない……そんなレベルだ。
――“今”の僕では。
「『ここが私の決戦の地。ここが私の死力を尽くす地」
だから、今を越える。
僕が本来『勇者』として呼ばれた理由、その与えられた力の本質。
この力を使って魔王を倒すことが、本当の僕の理由だった。
「この身は“希望”であり、この身は“勇気”。その剣は未来の為に、その盾は未来の為に」
ただの近衛剣レベルであった“聖剣”が、“聖盾”が光り出す。
人間である僕の身を纏うように“魔力”が溢れ出す。
対魔王用に1度のみ使用を許された、『勇者』が『勇者』足り得る最強の光。
これは希望の光である。
これは勇気の光である。
これは――
「私は未来の為に、この時のみ勇者であろう。『光よ、降臨し給へ』」
――僕が憧れた光だ。
強大な光に包み込まれ、僕は『勇者』と成った。
その身は限界さえも突破し、一時的に神にさえ至る。
黄金なんて似合わない、僕が夢見た光はそんな明るいものではない。
僕が憧れた背中は、かつて綺麗な“蒼”を剣に宿らせていた。
だから僕が纏う光は“青”だ、“蒼を夢見る青”くらいで丁度いいのである。
―きっと彼は今、神に立ち向かっているはずだ。
『均等破壊』ソウヤ。
それが、僕が憧れた背中だ。
かつて召喚された僕は、初めは調子に乗っていたものの魔物に相対して、現実の“死”を体験し震えていた。
戦うは当然、剣を握ることすら恐怖を覚えて僕はただ閉じこもっていたのである。
そんな時だった、彼の話を聞いたのは。
「もうそろそろ6度目の『軍勢の期』ですな」
「えぇ……ですが心配は要りませんね、ソウヤ殿が居ますから」
「そうですな、たった1人で『軍勢の期』を相手取ったソウヤ殿なら……」
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