最終章
1節―超常決戦―
堕ちた果ての輝き
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「これで、残り二翼ッ!」
ソウヤはこちらを追尾し続ける魔剣を、強引に雪無で砕く。
すでにルシファーの黄金の翼は二翼を残すのみで、あらゆる魔剣、魔槍、魔杖で追い詰めようとしていた天使は笑った。
「……お見事、流石は世界神を殺そうとしている生命、か」
あらゆる魔剣をも打ち砕き、すでに“武器”としての極致に至っている雪無を片手に、ソウヤはルシファーへと油断なく構える。
―使わせまいと突撃してこなくなったな。それだけ学んだということか……。
何度かルシファーの翼を使わせまいと武器を対処したのち突撃したソウヤだったが、1度逆に誘い出されてからはしていない。
同じ戦闘の中で、いつまでも成長し続けるソウヤの存在にルシファーは寒気を感じる。
油断していないからこそ、常に成長し続けているのだ。
相手の攻撃手段や対処方法を逐一確認し、その動きの細部まで頭の中に叩き込む。
そうすることで、2度と同じ手が通用しないよう予防している。
―……あまりに戦闘方法が分からない相手の対処が、上手すぎだ。
それだけ、様々なパターンの強敵と相対してきたことはルシファーにも否応なく分かった。
だからこそ、見える“希望”。
「――第十一翼、第十二翼……展開」
ルシファーが最後の十一翼と十二翼を引き千切り、全ての翼が漆黒に染まる。
天使の両手に姿を現したのは、一見ただの鋼の剣と杖にも見える剣。
「“破滅導く害なす剣”」
左手に持つ剣は、柄の部分が異常に長くその柄先には宝玉が埋め込まれていた。
そして刀身全体に埋め込まれたルーン文字。
「“堕ちた選定の剣”」
あぁ、何故ただの剣と思ってしまったのだろう、とソウヤは思う。
あの剣こそ全ての魔剣の終局点であり、全ての魔剣の始局点。
始まりの剣であり、終わりの剣であり、最果ての名に相応しい剣だった。
「――とんでもないのを出してきたな」
「とっておきだ」
右手にグラム、左手にレーヴァテインを手にルシファーはソウヤへ接近する。
その両方もが魔剣の中でも最高位に属する者であり、かすり傷を入れられることすら危うい。
振るわれたレーヴァテインをソウヤは雪無で防ぐとすぐさま、突き出されるグラムにストレージから取り出した薙沙で対処する。
グラムは“FTW”でいうところの王剣に属するので、ただの将軍剣である薙沙が耐えきれるはずも無く、無残に砕け散った。
―すまない、薙沙。
砕ける刀身を見ながらソウヤは心の中で薙沙に謝ると、一瞬で来た隙を突いて力任せに雪無を振るう。
圧倒的馬鹿力で吹き飛ばされたルシファーは、この世界でただ確かに存在する“地面”に脚を擦り付
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ