最終章
1節―超常決戦―
鳳仙鬼炎と癒しの手
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いう穴から血を吐き出す。
そのまま多量出血と体の崩壊によって、無残にもナミルは倒れ――
「ぁッ……ぁあ……!!」
「へぇ、流石に“1回”じゃダメか」
――ることを、ギリギリで阻止する。
それでも、自身の生命が徐々に零れていく感覚を抑えられない。
―何が起きた……?
何かを呟いたラファエル。
それだけでナミルの血管は破裂し、筋肉の筋は全て切れた。
意識を保てているのが不思議なレベルの状態で、今ナミルは全ての体の器官を総動員して倒れるのを防いでいる。
―あの、変な呟きが詠唱みたいなもの……か。
けれど詠唱の内容が「“癒されろ”」というのも、ナミルには納得がいかない。
ソウヤ含め、詠唱というのは“自分自身”を力として具現化するために行う儀式のようなもの。
改変なんて出来はしないし、詠唱内容を他の人が知っているとしても真似なんて出来はしないのだ。
だから、ナミルは不思議に思う。
―“癒されろ”なんていう詠唱からは、到底攻撃なんて想像出来ない。なのに、今コイツは俺を傷付けた。
本来“癒し”は体や心の傷を治すもの。
その真逆を行うことは、詠唱から反するため出来ないはずなのだ。
―それに、攻撃にしては俺の体の傷付き方がまるで“内側から破裂した”かのようになってる……。
詠唱内容とは程遠い力。
自分自身の体の傷付き方。
その全てを観点に入れてナミルは考え……気付く。
「『我は鬼炎、我は仙人」
ラファエルの力が、詠唱通りだとしたら。
もし、ナミルを事実癒したのだとしたら。
「我が纏うは全てを浄化する鬼炎の魔装』」
“申し子”の持つ『神技』は、基本的に武器を創り出したり何かを放つものだ。
けれど、その中で唯一ナミルの『神技』は他と“概念”すら違った。
放つのではなく纏い、一撃ではなく魔装。
「『偽・全て浄化する火神の魔装』――ッ!」
狂い舞う炎がナミルを包み込み、“炎の鎧”を創り出す。
“燃え殺す炎”ではなく“浄化する炎”を纏うことで無理矢理にナミルの体を治していく。
血管は炎によって固められ、失われた線は炎が擬似的に果たす。
痛みなんてものじゃない。
常に焼き殺されるような痛みに耐えながら、ナミルはラファエルに立ち向かう。
「――穢れだ」
その装いを見て、ラファエルは瞳孔を開き小さく呟く。
ふざけるなと、そんな“癒し”があってたまるかと、そんな叫びが一言に練りこまれていた。
「穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化穢れは浄化
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