暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
変身-トランス-
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店員はいないのだろうか?そう思ってシュウ店舗の方に眼を向ける。だが、店員の姿はない。どこへ行った?すでに帰宅した、とは思えない。
その時だった。
「きゃああああ!」
愛梨の悲鳴が、暗い空を切り裂くように轟いた。悲鳴につられて後ろを振り返り、シュウは彼女の元へ急ぐ。そこで彼が見たのは、尻餅をついて目の前にいる何かに恐怖している愛梨と、

この世とは思えないおぞましい姿をした、巨大なナメクジの化け物だった。

「な…『ペドレオン』!?」
なんだこの気持ちの悪い魔物は!?こんな巨体で一体どこに隠れて…そもそもこんな怪物がいるというのか!?
それに…

なぜ、俺はこの化け物の名前を知っている?!

いや、そんなことよりも愛梨だ。
「愛梨!大丈夫か!?逃げるぞ!」
「う、うん!」
シュウは彼女を抱きかかえてペドレオンから逃げ出した。しかし、逃げる前に彼の足をペドレオンの体から延びてきた触手が捉えた。
「うわ!!」
「シュウッ!」
その拍子に愛梨を放してしまい、彼はそのまま引きずられ始める。シュウの腕から落ちて尻餅をついたためか、愛梨は今の状況に対して我に返った。
その時のシュウはかろうじて、ガソリンスタンドに止められたままのトラックのタイヤに掴まっていた。引っ張られまいとその姿勢のまま視線をペドレオンの方に向けると、奴はその体を二つに切り裂いたようなおぞましい姿になる。口を開いて、シュウを捕食するつもりなのだ。おそらくトラックの運転手もガソリンスタンドの店員もこいつに食われてしまったのだ。
「愛梨、逃げろ!!」
「で、でもシュウが…!!」
愛梨はすぐにシュウを助けに向かいたかった。誰かに彼を助けてほしかった。だが、近くに人はおらず、かといって彼女の力でどうにかできる相手とはとても思えない。こうしてシュウを今にも引きちぎりそうな勢いで引っ張り上げようとしている以上、力も人間では到底及ばないほどに違いない。それに助ける以前に、足がすくんで動けない。震えたままその場で突っ立っている。
すると、彼女の方にもペドレオンの化け物は触手を伸ばしてきた。
「きゃ!!」
彼女もコンクリートの床の上に転がされ、引っ張られ始めた。
「愛梨!!」
それはとっさの行動、無我の内に行ったことだった。シュウは鞄の中から取り出した、授業で使っていたコンパスの針を出して、それを触手に思い切りぶっ刺した。
「ギギギイイイイ!!」
驚いたのか、それともやはり地味に痛いのか、ペドレオンは愛梨から触手を離した。
「二度も…愛梨を死なせてたまるか!!」
思わずシュウはそのように叫んだ。
…は?と彼は自分で言った言葉に対して強い疑問を抱いた。何で?愛梨は生きてるだろ?何で一度でも死んだみたいなことを?
だがその油断と隙によって、逆上したらしいペド
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