三話 貧民街
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から自己紹介しよう。
「俺の名前は衛宮 士郎。流れ者だ」
少女は俺の名前を聴くと「エミヤ、シロウ?変な名前だな」と呟いた。今日一日で言われ慣れたけどそんなに変な名前じゃないからね。
「流れ者……ってことは、別の国から来たのか?」
「んんぅ。まぁ、そうだな」
別の世界から来ました。なんて言っても信じてもらえないかも知れないから今はそれでいいや。
「で、白の姉ちゃんの名前は?」
少女はエミリアに問う。
だが、エミリアは目を左右に揺らしアタフタしていた。「どしたの?」の小さい声でエミリアに問いかけるとエミリアは小さな声で。
「その、私……名前を、」
最後の方は更に小さな声になり聞き取れなかった。
……あっ。そういえば、エミリアと初めて会ったとき、エミリアは自分の名前を隠そうとしていた。俺が、あの時、エミリアの名前を知ったのは偶然、パックがエミリアの名前を呼んでいたからだ。もしかして、エミリアは自分の存在を隠している?
勝手な憶測で、違うかも知れないけどエミリアは困ってるし。よし、ここは。
「この娘の名前は『アルトリア』
なんて言えばいいかな。まぁ、友達かな」
「アルトリア……?
へぇー。なんか、お嬢様みてぇな名前じゃん」
これでエミリアの名前はやり過ごせるだろう。
するとエミリアは俺の服の裾を軽く引っ張ってきた。そして、声を発さず、口を動かし。
あ・り・が・と・う。と言ってきた。
やっぱり、エミリアの名前は隠して正解だったか。理由は解んないけど、このまま会話をするとしよう。
「で、君の名前は?」
「アタシの名前はフェルト。見ての通り、この貧民街の住民だ」
少女、フェルトは坦々と言った。
……貧民街。やっぱり、この世界にも、そういうのはあるのか。解ってたつもりでも実際に耳にすると胸が痛い。
「で、その。えっと、エミヤシロウだっけ?」
「衛宮 士郎。シロウでいいよ」
「シロウ……。ん、分かった。
で、シロウとアルトリアの姉ちゃんはこんな所で何してんだ?」
「何してんだって?」
「いや、普通こんな薄汚ねぇとこ寄り付かねぇじゃん。てかよ。そんな身なりでこんな所に来たら格好の的だぜ?」
フェルトは俺とエミリアの服を指差し言った。
フェルトの言葉から察するに、俺とエミリアの服装は珍しいから物捕りに狙われるぞ。という事なのだろう。でも、エミリアの服装ってそんなに変か?いや、俺からすれば見慣れないけどエミリアはこの世界の住民だ。着てる服も、この世界の住民と差ほど差は無いと思うけど。
「アルトリアの姉ちゃんは相当な金持ちと見た。どうよ、私の目利きは!」
「え、うーん。私自身はそんなにお金、持ってないと思うけど」
「おっと、その発言は怪しいな。私
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