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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
君に決めた! その弐
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隠し事はしないことだ。」

「ほう.......。」


聞けば聞くほどイザベルが痛い奴に見えてくる。もし彼女がパートナーになったら可愛いとはいえ、しばらくの間この中二病と協力しなければならないわけだ。その過程で俺まで痛い奴だと思われるのは悩みどころだ。


「ではソナタの用件を聞かせて頂こうか?」

(結局直接聞くのかよ。)

「ウィザード・トーナメントで俺のパートナーになって欲しいんだが頼めるか?」

「ほう........。」


イザベルは深く考え込む。その姿は彼女が同い年であることを忘れさせるくらい大人びいていた。まるで軍の司令官が作戦を立てている時のような緊張感が辺りに撒き散らされる。


「.......よし、答えを出そう。」

(これで決まってくれれば.........。)

「私で良ければ構わないぞ。」


俺は一瞬その言葉をちゃんと理解できなかった。自分の中でどことなく無理だと決めつけていただけに尚更その言葉を理解するのには少しばかり時間を要した。


「マジ...だよな。嘘じゃ...ないよな?」

「あぁ、私で良ければ構わな.....」


俺は条件反射の如くイザベルに抱きついた。そこに微塵の下心も存在していない。あるのは純粋な感謝の心だけだった。


「ひゃっ!!」


イザベルが先程とは打って変わって女の子らしい声を出した。どうやら中二病少女も普通のハグには動揺を隠せないらしい。これはこれで新しい勉強になった。


「ありがとう!本当にありがとう!これからよろしく頼むな!」


こうして俺とイザベルのパーティが誕生した。イザベルの魔法については後々説明していくつもりだ。
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