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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第626話】
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訳じゃなかった、ライバルの唐突な引退で不戦敗でのブリュンヒルデ――彼女からすれば納得は出来ないのは当たり前だ、だけど――だからといってやはりテロリストに降るなんて。
「一夏くんにも言ったけどサ。 また会える日まで、君も今より強くなっておくのサ。 またネ、ヒルトくん。 後、シャイニィは一夏くんに預けてるからたまには遊んであげるのサ」
そのまま背中を向けて去ろうとするアリーシャに、俺は声を掛ける。
「……アーリィさん、貴女が織斑先生と戦いたいのはわかりました。 だけど……それは亡国機業に降れば二度と叶わない願いです」
「……どうしてなのサ?」
背を向けたアリーシャは振り向く――舞い散る紅葉と彼女の赤い髪、赤い着物姿が映えて見える。
「……俺が、先に貴女の相手をするからだ」
「……成る程、立ち塞がるのサね」
クスッと笑みを溢すアリーシャ――。
「それまでに君が今よりも強くなってる事サ。 だけど――嵐は簡単には治まらないのサ♪」
ピンヒールを鳴らし、今度こそ振り向く事なく去っていくアリーシャ。
そうまでして亡国機業に降る気持ち――わからなくはない、せめてテロ行為に手を貸さない事だけをヒルトは願い、元来た道を戻っていくのだった。
昼過ぎ、白騎士暴走事件と同時に流れるニュースは三人目の男子IS操縦者が見つかった事だ、これは成樹の事だ。
昨日、ISで救助活動してる姿を動画投稿サイト等で多数アップされ、テレビ局にも売り込みを掛けたのか何処もニュースはそれで持ちきりだった。
勿論政府関係者に捕まる前に織斑先生と山田先生が確保、今は旅館の一室で織斑先生に事情聴取されていた。
「――つまり君は無我夢中でISに触れて起動させたという事だね」
「は、はい……」
「IS、展開して見せろ。 展開するイメージはわかるか?」
「えぇ……やってみます」
立ち上がった成樹は黒と蒼のチェーンネックレスに触れ、願う――ISを纏うイメージを描く。
刹那、成樹の体が光の粒子が集まり、次の瞬間には黒のラファール・リヴァイヴを身に纏っていた。
「……ふむ。 ……笹川成樹、だったな」
「は、はい」
「君の身柄は学園の方で預からせてもらう。 わかっていると思うが有坂ヒルト同様、このまま君を放置すれば研究機関は実験体としてモルモット同然の扱いをするだろう。 それは例え、他の国に亡命しても同じだ。 非人道的と謳いながらも彼等は君の身体で様々な実験、薬品を飲ませて、仮に死んだとしてもその死体を解剖し尽くすだろう」
脅しではないのがわかる――実際ヒルトも保護がなければ人体実験されていたと言っていたぐらいだ。
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