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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第625話】
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次元の一歩へと足を踏み込ませた。


「力の、資格が……」


 そんな呟きはヒルトの耳には届かなかった――極限まで研ぎ澄まされた感覚、集中力、真っ直ぐとヒルトは視界に白騎士の姿を捉える。

 解キ放テ、己ノ力ヲ。

 解放シロ、定メラレタ運命ヲ。

 変エテミロ、悲惨ナ未来ノ結末ヲ。

 誰が言ったわけでもないそんな言葉がヒルトの耳に届く、そして――瞳は紅蓮を宿し、視認出来るレベルで装甲から光が帯びる。


「……陽炎幻影――――《覚醒(アラウザル)》!!」


 大気は揺らぎ、白騎士周囲から陽炎が立ち込める。

 其処から姿を現したのは――無数のヒルトだった。

 それは陽炎が生み出した幻――否、違った。

 その幻影が振るう武装――ミョルニルの一撃には明らかに質量があった、攻撃が終われば幻影は消える。

 ミョルニルの一撃に吹き飛ぶ白騎士――全てを薙ぎ払おうとホワイト・グリッターの白亜の刃が街もろとも関係なく吹き飛ばす程の光波を飛ばした。

 だがそれは阻まれる――美春達じゃない、陽炎幻影によって生み出された質量を持った幻影であるヒルトが、その一撃を身を張って防いだ。

 其処からヒルトの攻撃は始まる――カリバーンを構えたヒルトの幻影が白騎士を打ち上げ、ジャガーノートを構えた幻影が先回りし、その一撃を打ち込むと白騎士は墜落――する寸前にワイヤーブレードが白騎士を拘束し、空域へと投げ飛ばした。

 対応する白騎士――振るわれたホワイト・グリッターの刃が無数のヒルトを薙ぎ払っても、それら全ては幻影、隙が生まれれば今度はギガンティック・マグナムの拳が白騎士に直撃、破片が空を舞う。

 そして――残った全機による対空砲火、街への被害が出ないように全ての幻影は白騎士の下へと陣取り、電磁投射小銃による弾雨が白騎士を襲った。

 大幅に削られる白騎士のエネルギー、逃れるように緊急上昇しようとした白騎士だが狙撃粒子砲の十字砲火の直撃で阻まれた。

 京都タワー、そして京都高層ビルからの狙撃だった。


 京都タワーに陣取る更識楯無――狙撃粒子砲《サモセク》を構えての狙撃に対して十字砲火の位置に立つ山田真耶が構えた狙撃粒子砲《アルマッス》。

 チャネル通信で相互通信を行い、的確な狙撃が白騎士を襲うも粒子砲の一撃は零落白夜の盾で防ぐ。

 だが、それが白騎士に致命的な隙を生む結果になる。

 幻影は消え去り、周囲を立ち込めていた陽炎も消える。

 大神之神霧露を構えたヒルト――青白い刃が月明かりを浴びてまるで白銀の様に輝きを放つ。

 白騎士は気付く――そして呟く。


「力持たぬ者に、敗れる……!?」

「その傲り、その傲慢――そうやってずっと、否定すれ
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