第60話『一年生VS.三年生』
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った。
辛うじて避けたが、高威力であったことは容易にわかる。
「まだまだぁ!!」バリバリ
「結月!」
「うん!」ジャキン
間髪入れずに終夜は黒雷で薙ぎ払う。リーチが広く、結月の氷壁で何とか防いだ。
「このまま防戦一方じゃダメだ。結月、攻めるぞ!」ビュオ
「わかった!」
晴登は足に風を纏わせ、いつぞやの素早さバフを付ける。その速さは疾風の如し。風に紛れて、敵に迫ることができる。
「ふっ!」ヒュン
「っ…!?」
晴登は地面を思い切り蹴り出す。その瞬間、身体が弾丸の様な速さで飛んだ。
終夜が驚いているようだが、実は速すぎて晴登自身その表情は見えない。
つまるところ、ブレーキは結構大変なのだ。ヒョウとの戦闘の際は、逆風を起こして止まっていたりする。逆に言えば、ブレーキさえできれば機動力がグッと上がるのだ。
「おらぁ!」バキ
「がっ…!」
まぁ、今回に至っては勢いで殴ったが。
弾丸に殴られた終夜の身体は、浮きながら後方に吹き飛ぶ。晴登もまた、着地に失敗してゴロゴロと無様に転がった。
「痛てて……今の攻撃は中々──って」バリッ
「力づくで破られた…!?」
「タイミングは良かったが、まだヤワだ。もっと気持ちを込めろ」
「うっ…」
倒れている終夜を凍らそうと、結月は地面からの氷結を狙ったが、放電によって無理やり防がれてしまう。
気持ちを込めろと言われて試しているのだが、いまいちピンとこない。
「吹っ飛べ!」ブワァ
「お前は隙だらけだ」ドガッ
「うっ…!」
晴登の起こした突風を終夜は掻い潜り、彼の腹に一発をかます。あくまで晴登は遠距離型。内に攻め込んでしまえば、対処に遅れるのだ。
「おいおい、二人がかりでその程度か? もっと楽しませてくれよ」
晴登と結月はそれぞれ、煽ってくる終夜を見据える。もちろん、本心から言っている訳では無いということはわかる。あくまで彼は、自分たちの力を引き出そうとしているのだろう。
「けど、全然策が浮かばねぇ…」
「……ハルト、ボクがやろうか?」
「え?」
「ハルトの為だったら、ボクは"力"を使うよ」
「力って・・・」
そのまで言いかけて、晴登は結月のある言葉を思い出す。
『ボクは、鬼の血を引いている』
結局その時は詳しく聞かずじまいだったが、きっと彼女の言った力とはそれではないだろうか。
──見たい反面、恐怖があった。
「どうする、ハルト?」
「その…副作用とかはないのか?」
「そうだね・・・制御できるかわからない」
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