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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
君に決めた! その壱
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ってくれるがあくまでも同い年だ。なんでこんなに慕ってくれるのかというとそれには大したこともない理由があった。


入学式の当日。俺は朝に校門で派手にコケて足を怪我した女の子を見た。その時たまたま絆創膏があったため応急措置としてその子の足の傷口に貼ってやった。


その日の放課後。庭園でお気に入りの場所を見つけた俺がくつろいでいると、そこにお腹を押さえた女の子が通り掛かって来た。見た感じで空腹なんだと理解した俺は日頃から念の為に持ち歩いている非常食"カロリースティック"を彼女にあげた。


その時、俺はその子が足に絆創膏を貼っているのを見て朝の子と同一人物だと理解したのだ。一方の彼女もどうやら俺の顔を覚えてくれていたらしく、入学初日で俺と真希乃は打ち解けた。


彼女が妹属性を持っていることはそこで知った。その時俺は「俺は懐いてはならないものに懐かれてしまった」と俺の一連の行動を心の底から後悔した。それでも彼女を嫌いになれなかったのはそれを帳消しにできるくらい良き人格者だったためだ。


彼女のどうしようもなくピュアな性格は、ひねくれた俺にとっては中々の天敵で俺は反応に困る。だがそれ以上に恐ろしいのは真希乃が妹属性でなく"ヤンデレ"妹属性になってしまう可能性を持っていることだ。


(誠兄のために特別にお昼ごはん作ってきたの!一緒に食べよ!....嫌?....なんで?)

(ダメだ想像しただけでもナーサリー先生よりずっと恐ろしい!)


俺は無意識のうちに頭を抱えていた。そしてそんなあからさまな行動を真希乃が気付かない訳がない。


「誠兄?....大丈夫?頭痛い?」

「えっ...あぁ心配するな、大丈夫だから。」

「辛くなったらいつでも話を切り上げてくれて大丈夫だからね?無理は禁物だよ!」


真希乃の優しさが心に染みる。さっきのシャルロットとはまったく逆の性格をしている。召使いを見る貴婦人のようなシャルロットに対して、まるで真希乃は慈悲深い聖女を見ているかのようだ。


「真希乃はウィザード・トーナメントのパートナー、もう決まったのか?」


真希乃はそれを聞いて少し申し訳なさそうな顔をする。俺としてはそれだけで何を意味するのかは分かった。俺個人としても純粋な真希乃に、俺の真希乃の中でのイメージをあまり崩させたくなかった。


「ごめんね。ちょうど今朝お誘いを受けちゃって...今更断るのも悪いから誠兄には協力できないの...ごめんね。」

(やっぱり...優しいな真希乃は。)


俺はごく自然な流れで真希乃の頭を撫で撫でする。真希乃もそうされることを嫌がらない。こうしていると本当に妹と接しているようで、年齢感覚が分からなくなる。


「あっそうだ!私の友達
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