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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン75 鉄砲水と英雄、空爆
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。つい先ほど片割れがやったことと同じような流れにより、三度現れた融合の渦に2体のモンスターが混ざり合う。そう、三度だ。いくらタッグである程度のカード消費を補えるとはいえ、本来かなり消費が激しいはずの融合召喚を全て正規の方法でこれだけ連続でやってのけるとは。

「融合を発動。手札の機械族、ピアーノと場の炎族、灼熱ゾンビの2体を融合する。重爆撃禽 ボム・フェネクス!」

 ひときわ派手に溶岩を跳ね飛ばし、灼熱の翼に身を包んだ鋼鉄の不死鳥が炎の羽根をまき散らしつつ舞い上がった。察するに、これこそが今回のミスターTの切り札なのだろう。

 重爆撃禽 ボム・フェネクス 守2300

「カードを1枚伏せて……」
「あのカードは……まずい!」

 ボム・フェネクスの効果は1ターンに1度、場のカード1枚につき300ポイントのダメージを相手に与える。ミスターTたちの場にカードは4枚、そして僕らの場にはトークンも含めて計7枚。せっかく出てきた2体の綿毛トークンがむしろ仇となり、こちらのフィールドを見下ろした不死鳥が甲高い声とともに炎の翼を一振りする。体を離れた大量の燃え盛る羽根が11本こちらに飛んでくる。いや、よく見たらあれば羽根なんかじゃない。1体1体が全て小型の不死鳥、その身を爆弾として突っ込み、点や線ではなく面で相手を制圧するための、まさしく絨毯爆撃としか言いようのない決戦兵器だ。

「十代!」
「わかってる!効果を発動する前に、先にこっちのカードを使わせてもらうぜ!速攻魔法、神秘の中華なべを発動!俺の場のジェネクス・ニュートロンをリリースして、その攻撃力か守備力の数値だけライフを回復できる!俺が選ぶのは当然、攻撃力の1800だ!」

 ジェネクス・ニュートロンとその体に寄生していたグレイドル・コブラ、さらに発動された神秘の中華なべのカードが墓地に送られ、こちらへ突っ込んできていた小型の不死鳥のうち3羽が空中で暴発する。これでダメージは900ポイント減って2400、そして回復分を合わせた僕らのライフも2400。

「まだ足りないか……!十代、構わないから僕のカードも使っちゃって!」
「だけど、清明……」

 目に見えた敗北を回避するためには、もう1枚なんでもいいから場のカードを減らすしかない。小学生でもできる計算を目の前にしてなお十代が迷うのにも、それなりの理由がある。普通に使っても使いづらいこの伏せカードはタッグデュエルで、それも相手ターンに使うにはあまりにもデメリットが大きすぎるからだ。だから僕も一応伏せはしておいたけど、よほど確実に勝負を決めたいときにしか使うつもりはなかった。でも背に腹は代えられない、躊躇いながらも十代は2枚目のカードを表にした。

「すまない、清明!トラップ発動、無謀な欲張り!カードを2枚ドローする代
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