第十五話「トンネルを抜けた先にはパーフェクトガンダム」
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んだ美味そうなかき氷をユーグは頬張った。
「私の国が誇る台湾かき氷だぞ?」
と、マオ。余談だが彼女は台湾の出身者だ。日本と台湾のハーフらしく、国籍は台湾になっている。また日本文化が好きであり、今宵は肩だしの勝負着物を着てユーグを悩殺するつもりである。
「へぇ……台湾には、こんなに美味いかき氷があるんですね?」
「うむ! 特にマンゴーソースがお勧めだぞ?」
ビーチに、台湾の国外チェーン店があってよかったとマオは心の中でガッツをした。
「……」
そんな二人のやり取りを、遠くから見つめていた千冬は、徐々に表情を険しくさせた。
――何なんだ、あの女は……!
小脇に抱えるビーチボールに力を籠めると、彼女はこのまま二人の元へ歩み寄った。
「……マオ先生?」
「……?」
いいところだったのにと、イラつくマオはビーチボールを小脇に抱えて仁王立ちする千冬を見上げた。
「何か?」
「人数が不足しているんです。よろしければ、ビーチバレーに加わっていただけませんか?」
「遠慮致します。私はスポーツは苦手なのでな?」
「オペレーターゆえに、体を動かすのは苦手……ですかな?」
「なに……?」
その声に、マオはギロッと千冬を睨んだ。すると、マオは立ち上がって負けじを言い返す。
「そこまで言うのでしたら、受けて立とうではありませんか?」
「フン、面白い……!」
「あ、あの……」
そんな二人からドス黒いオーラが流れ、とてもじゃないがユーグが割って入る感じではなかった。
その後、両者の強烈なアタックが炸裂し、結果は引き分けとなった。
「ユーグ先生……」
汗だくになった身なりを整えた千冬は、間を練って先ほどのように寝そべるユーグの元へ歩み寄る。
「……?」
「少し、御話がしたいのですが……?」
ユーグは、何も答えなかったがゆっくりとその身を起こして立ち上がった。
「ユ、ユーグ先生……!」
マオが引き留めようとするも、ユーグは彼女に微笑んで「すぐに済ませます」と、一言いい残してから千冬の元へ行った。
「……ユーグ先生? いえ、ユーグ教官」
「その呼び名で言うのは慎んでいただきたいのですが?」
「しかし、私にとって貴方は今でも私の教官です!」
「あの時と同じじゃない。今の貴女は私と同じ教員だ……」
「ユーグ教官……なぜ、何故私にそのような態度をするのですか!?」
耐え切れぬ千冬はそう叫んだ。
「織斑先生……あんたは、何故『IS』を選んだのですか?」
「……?」
ユーグの問いに、千冬は首を傾げた。
「何を言って……」
「私が言えることは以上です。『白騎士・織斑千冬』……」
「ッ!?」
その一言に、千冬は目を見開き、彼女に背を向けて戻るユーグへ振り返った。
「な、何故それを……!?」
「言ったはずだ。私が言えること
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