第十五話「トンネルを抜けた先にはパーフェクトガンダム」
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「その言葉、そっくりアンタに返すわよ!」
「み、皆さん! 喧嘩はやめてください……」
と、新たに四人目の乱入者が現れる。彼女らよりもやや小柄な少女。ジュドーが溺愛する妹、リィナ・アーシタである。所属はオペレーター科で、兄のジュドーをオペレートしているのだ。今回は、自分よりも先に行ってしまった兄を心配して自ら今回の活動に志願したという。何度でもいうが、兄であるジュドーからは溺愛されている。
「こらこら! 何の騒ぎだ!?」
騒めきを感じて、マットがこちらへ駆け寄ってくる。
「先生! この娘が、私たちがMSパイロットだからって馬鹿にするんですよ!?」
エルが訴える。
「まぁ、みんな仲良くしなさい! 君も、いい加減にしないと千冬先生が見てるよ?」
と、マットはIS生徒へ振り向くと、それに返すことがなくなり、彼女は大人しく座席に座った。
「エルさん、そう気分を悪くしないでくださいね?」
先ほどの口論で、もっとも気分をが害したエルにリィナは気を使った。
「んもう! やになっちゃう!! どうして、女子がMSにのるだけで、あんなにもいわれなきゃならないのよ!?」
そんな、彼女の愚痴にリィナは苦笑いするしかなかった。
「……にしても、リィナちゃんも大変よねえぇ〜? どうして、あなたがこの特別授業に志願したの?」
と、今度は逆にエルから問われる始末。
「だ、だって……お兄ちゃんがいつ暴走しちゃうか心配なんですよ」
「あー……ジュドーか? まぁ、アイツならいつ問題起こしたっておかしくはないからね?」
「このままお兄ちゃんを放っておいたら……ある意味で『地球の重力に魂を引かれた人』になりそうで怖いんです」
「どこで習ったの? そんな哲学……」
その後、一行はようやく目的地の臨海合宿地に到着した。生徒たちは、真っ先に休憩時間を与えられると、解放したかのように一斉に水着姿になって浜辺を駆けだしていった。
「おお〜! これこそ、楽園だな!?」
双眼鏡で目の前の眩しい光景を見渡す該はよだれを垂らした。
「該、俺たちは合宿に来たんだぞ?」
後ろから隼人がため息をした。
「そーいえば……アムロのやつ、欠席って聞いたから可哀そうにな?」
と、一夏が周りの風景を見てそうつぶやいた。水着を着た女子たちの眩しい姿が広がっているというのに、それを見ずにして風でも引いたのだろうか?
「あー、アムロのやつなら親父さんに頼まれて改良されたガンダムのテストパイロットをやってるっていうぞ?」
「え! アイツが!?」
隣でジュドーが言った。情報屋の彼だからその内容が正しいのであるが、あのアムロがテストパイロットに選ばれるなんて……本人には失礼であるが信じがたい情報である。
「アムロ……」
いや、それ以上にかわいそうなのが明沙である。ようやく勝負水着を着てき
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