第十五話「トンネルを抜けた先にはパーフェクトガンダム」
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アムロ宅にて
日曜日、僕は一夏達とゲーセンに誘われたのだが、急に父さんに呼び出しを食らってしまい、しぶしぶと久しぶりの自宅へ帰ってきた。
「父さん……何だよ? 急に呼び出してさ?」
居間のソファーで寛ぐ僕は、不機嫌な態度で父さんに問う。
「いやな? 今日は、前もってお前に言っておきたいことがあるんだ。とりあえず、ハロを私に預けなさい?」
「ハロを?」
「ハロに収納されているガンダムを、改良したいんだよ?」
「ガンダム? でも、どうして?」
「ガンダムの専用追加装備の開発が終わってな? その試験動作を確認したいんだ」
「へぇ〜?」
「数日後行われる臨海合宿で、そのガンダムの改良機をテストしたいんだ」
「でも、それじゃあ僕は……」
「アムロ、ガンダムの持ち主であるお前がテストパイロットだ」
「僕が?」
ソファーから立ち上がって驚いてしまった。
「当たり前だ。第一、あのガンダムはお前しか動かせんだろ?」
「そうだけど……」
「安心せい? 改良機を乗り回すだけでいい。とりあえず、ハロは借りていくぞ?」
と、父さんは僕のハロを抱えて家を出て行ってしまった。
*
それから……数日後、僕はIS学園の生徒や一夏達とは別に臨海学校の浜辺へ先回りしていた。浜辺には、この暑さにもかかわらず白衣を着た父さんが待っていた。
「おーい! アムロ? こっちだ」
パラソルの下で寛ぎながら僕を出迎えた父さんと、彼の隣にはハロが転がっている。
汗が顔に浮かびながら、僕は頭上からの日差しと暑さに目を細めて父さんの元へ歩み寄った。
「こんなにあっついなんて聞いてないよ?」
「じゃあ……制服なんか着てこなければいいだろ?」
「この後、学校の連中と落ち合うんだから制服きなきゃだめだろ?」
「今日だけお前は欠席扱いなんだぞ?」
「え!? それ早く言えよ!?」
だったら、わざわざこんな長袖の制服を着る必要なんてなかったし、しんどい合宿なんか受けることなくこの砂浜でバカンスできるじゃないか!?
「じゃあ、アムロ? ハロを使ってガンダムを展開させてみろ」
「ああ、うん……」
僕は、ハロを拾上げてガンダムを展開させた。ハロが巨大な光に代わって僕を飲み込み、そして徐々に僕はガンダムの形に代わっていく。いつもなら光が消え去った後に従来の白いフォルムを纏うガンダムに変身できるのだが、今回だけはそのガンダムに新たなアーマーパーツが追加された姿に生まれ変わっていた。MSでいう、防御力と迎撃力を高めるために追加装備を備えた重武装使用、「フルアーマータイプ」というものだな?
「……これって、『フルアーマーガンダム』か?」
「ちがう! 『パーフェクトガンダム』だ!!」
「ただのアーマー装備だろ……」
「そのへんに転がってるMSと一緒にされては心外だな?
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