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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第623話】
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眼下に燃える京都の街並みを見ながらシャルトルーズは呟いた。
「……結局、京都は燃えてるね」
「仕方ない……と言いたい所だが、京都の街全てが焼け野原になるよりはましだ」
「そう、だけど……」
唇を噛み締めるシャルトルーズ――そして。
「ウィステリア、一夏――ううん、白騎士は止めないの? 君なら……今の君なら直ぐに鎮圧出来るんじゃない……?」
「……可能だが、出来る限りは私は彼に任せたいのだよシャルトルーズ」
「彼って――有坂ヒルトの事?」
見上げるシャルトルーズ――ウィステリア・ミストは頷くと言葉を続けた。
「今回の出来事は彼自身が乗り越えなければいけない。 嘗ての私の様にな……」
「…………」
仮面を徐に外すウィステリア・ミスト――双眸が紅く輝き、眼下の街並みを見下ろしていた。
こんな時に思うのは不謹慎だけど――シャルトルーズは彼の真っ赤な瞳が好きだ、端整に整った顔も、優しく撫でてくれる手も、人を思いやれる彼が大好きだ。
だからこそ見とれてしまう。
彼の素顔に、仮面に隠された真実の顔を――彼の機体の名前はトゥルース――和名で《真実》。
そんな時だった、ウィステリア・ミストの隣に粒子が集まり像を形成――それが形となって現れたのはシルバーだった。
「ボス、あの女の援護、完了したわ」
「……すまないな、不服だっただろ今回の命令は」
「今回『も』よ。 可能なら今回で終わりにしてほしいものよ」
「フッ……それはまだわからないな」
「ぶぅ……。 兄さんは意地悪だ」
膨れっ面のシルバーに、ウィステリアは困ったように眉根を下げた。
「……私はウィステリア・ミストだ、この世界に来たときから私は名前を捨てたのだよシルバー」
「……わかってます、ボス」
仮面を着け直すウィステリア・ミスト――仮面を着け様とも着けなくとも、彼はイルミナーティ総帥のウィステリア・ミストだ。
月明かりに照らされた三人の眼下には今なお燃える京都と、交差する三機の機影が何度もぶつかり合っていた。
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