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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
見てる世界が違うっての
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体罰」という概念は存在しない。ずっと昔の旧魔法時代ならこの言葉は確かにあったらしいが今は死語と言っても過言ではない。

教師たちは魔法で鞭を出して平気でぶってくるし、氷魔法や炎魔法で物理的に罰を与えてくる。











そう言えばまだこの世界についての説明をしてなかったから罰として廊下で立たされてるついでに話そう。


今は25世紀。
21世紀までは科学が発達していたが、ある時にアメリカで不思議な力でモノを浮かせることができる子どもが目撃されたことが魔法時代の幕開けとなった。


その後、ヨーロッパに宝石を用いた魔法を使う魔術師が現れ、魔法時代の開幕を告げた。それを皮切りに、生まれてくる子ども達は自然とその体に魔力というものを宿すようになっていた。だが、すべての子どもに魔力が宿るようになった訳ではなく、年間で生まれる子どもの約3割は魔力を体に宿さない「旧人」として捉えられるようになった。その後、科学者たちの研究データから魔力を持つ子どもの特徴として、胎児の期間中に謎の物質が胎児の体に取り込まれていることが判明した。


科学者たちはこれを「キャストニウム」と名付けた。
多分魔術師をキャスターなんて呼び方したりするからなんだろうな。俺にはどうでも良いが......。


魔法の発見から数百年経ってもう魔法は一般社会に完全に溶け込んでしまい魔法が使えることを不思議に思う人はいなくなった。どころか魔法は今や科学技術を上回る勢いで発展し、多くの人が移動手段で箒<ほうき>や絨毯<じゅうたん>を使うようになった。


そんな中でも旧人を支えるために街中にはちゃんと電車が走ったり、車が行き来している。その上空を箒や絨毯に乗った魔術師たちが飛び回ってくるのだ。


もちろん、箒や絨毯を使った移動にも少なからず魔力を使うから俺は一般人に溶け込む形で電車や自転車を使って普通に登校している。


大まかな概念は伝えたし、他はまた機会があれば説明しようかと思う。まぁ面倒くさくて教えない可能性も十二分あるけどな。

キーンコーンカーンコーン

授業が終わり、ナーサリー先生が廊下に来る。
ナーサリー先生が怒る時は基本的に激怒せずに徹底的に理攻めをするためよっぽど口が上手くない限りその攻めを打ち破ることはできない。


「授業態度に見合う魔術師としてのセンスがあるなら私も少しは抑えましょう。 しかし、貴方は一般の生徒に満たない魔力しかありません....そうですね?」

「けど筆記テストなら学年順位半分はきってますよ?」


そうだ。
俺は別に魔力量が少ないだけで筆記テストは普通に優等生だ。魔術に関する歴史も分かってるし、それ故の魔術の特性も独学とはいえ心得ている。



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