第四話 父さん
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を後悔させてやるようにな!
「そういや、アンタはなんで俺の名前を知ってんの?」
「アァん?
そりゃあ、お前がガキん頃に会ったことあるからに決まってんだろ」
「ぇ、俺……アンタのこと知らないけど」
「はぁ、ほんとそういう所はミカヅキそっくりだな。アトラがかわいそうだぜ」
「うるさいな。覚えてないってことはアンタの存在感が薄いだけじゃないの?」
「お前なぁ!
俺はこれでも結構、偉いんだぞ!」
「へぇー。そうなんだ」
「そのすました顔も、ホントアイツにそっくりだな!」
「そんな事より、あの鳥野郎のこと教えてよ」
無駄な会話をする時間なんてない。
今は一分一秒でも早く、あの鳥野郎────モビルアーマーをぶっ壊さないといけないんだ。
「あの鳥野郎……モビルアーマーは厄祭戦時代に造られた対人用兵器だ」
「対人用……?
それって人を殺す為の機械ってこと?」
アレが、人を殺す為だけの機械?
「一応、分類はそうだ。アイツは人を殺す為だけに造られた殺戮兵器だからな。まぁ、見りゃあ解ると思うが……アレは人を容赦なく殺す。躊躇いも躊躇もねぇ」
────嫌なことを思い出した。
いきなり、あの鳥野郎が現れて人を殺す瞬間を。
ユージンの言う通り、アイツに躊躇や躊躇いなんて無かった。ただ、人を殺すために動いていた。
それも、全力で。
人を殺す為だけの殺戮兵器 モビルアーマー……あんなのにどうやって戦えばいいんだ。
でも、なんでだろう。
こんな悲観的な事を考えてるのに全然、恐怖していない。やっぱり、俺って変なのかな。
「お前、その顔からするに変なこと考えてんだろ」
俺を担ぎながら走るユージンは俺の顔を見て言った。
「その顔……その表情は、ミカヅキの野郎もしてたからな。ホント、お前ら親子はどうかしてるぜ」
父親────ミカヅキ……俺の父さん。
一度も会ったことないし、この目で写真以外は見たこともない。
母さんも言っていた。
俺と……父さんは似てるって。
知らないよ。俺は父さんに会ったことない。話したことも会ったこともないのにそんなこと言われても解んないよ。
「アンタも……父さんと俺は似てるって言うんだね」
「アッ?さっきから似てるつってんだろ?」
「そうだけど……俺って、そのミカヅキに似てるの?」
「そっくりだよ。殆ど生き写しみてぇなもんだな」
父と子は似る。
あぁ、普通そうだろうな。だって「ミカヅキ」は俺の父さんなんだから、それは当然だろう。でも、だからこそ────俺は知りたい。
父さんに興味なんてない。
俺は「ミカヅキ」を知りたい。
「ねぇ、俺の父さんってどんなだったの?」
「どんな……?
そうだなぁ。
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