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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第622話】
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るヒルトは苦戦を強いられていた。


「かわされた!?」

『――――――!!』


 高周波音が鳴り響く――背後を取られたヒルトの無防備な背中に狙いを定めた無人機。

 その時だった、煌めく漆黒の流星が大空を飛び立ったのは。

 場所はラファール・リヴァイヴ展イベント会場。


「ッ……何だ、アンノウンか!?」


 突然市街地から新たに現れたIS反応に驚くマドカ、味方の信号を出していない完全な身元不明の機体。


「隙だらけだぜ!?」

「チィッ、調子に乗るな織斑一夏ァッ!!」


 白と黒が交差する戦場――突如京都上空に現れた漆黒の流星は真っ直ぐ無人機とヒルトの元へ駆け抜ける、尋常じゃないその機動力と運動性を用いて迫る。


「ヒルト! 屈むんだ!!」

「!?」


 上空から聞こえた聞きなれた声――刹那、流星は無人機に激しく当たり散らせ、ヒルトに向けられた粒子熱線は夜空の彼方へと消えていく。

 加速のついたその体当たりに体勢を崩す無人機――だがパワー負けせず、ぶつかった漆黒の流星を抑え込もうとしていた。

 ヒルトは突如現れた漆黒の流星を見る――其処には見慣れた親友である笹川成樹の姿があった。


「大丈夫かい、ヒルト!?」

「な、成樹!? それは――」

「説明は後だ! 今は――こいつを!!」


 加速が増す成樹の機体――所々カスタマイズされているがそれはラファール・リヴァイヴだった。


「ハァァアアアッ!!」

『――――!?』


 スラスターが唸りを上げ、徐々に押し始めた成樹。


「今だ! 僕が抑えている間に!!」

「ああッ! 食らえよォォォッ!!」


 背後から零距離に迫り、パイルバンカー《ジャガーノート》を呼び出し、無人機の装甲に当て、撃ち貫く。

 激しく撒き散らせた装甲――、膝をつく無人機、点っていたバイザーから光が失われた。

 その直後、部位のブロック単位で粉々に破砕、自滅プログラムを組み込まれていたのかコアもろとも消滅した。


「ハァッ! ハァッ! ハァッ……。 な、何とか……手助け出来たね……」

「成樹……」

「……ヒルト、行って。 僕が……僕が、君の代わりに、避難が遅れた皆の手助けするから……」


 呼吸の荒い成樹は額の汗を拭い、いつものような笑顔を見せた。


「……わかった、頼んだよ成樹。 ……俺は、あの機体を抑える!!」


 ヒルトはそう告げ、また白と黒が戦う空域へと飛んでいく――残された成樹は呟く。


「……少しでも、君の力になれたなら……良かったよ」


 小さく微笑を溢すと成樹は道路を塞ぐ瓦礫の撤去を始める、
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