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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第622話】
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 瓦礫を飛び越え、唇を噛み締める成樹――悔しかった、いつもヒルトに助けてもらってばかりで、成樹自身が彼の力になれなかった事に。

 羨ましかった――男が乗れない筈のISを起動させたヒルトの事が。

 必死に走り、喘ぎ、空気を肺に入れて駆け抜けていく――気がつくと成樹が居た場所は【世界のラファール・リヴァイヴ展】イベント会場だった、係員等は居なく、爆発の影響からか開き戸のガラスが割れ、簡単に中に侵入出来る状態だった。


「……!? せめて何かヒルトが使えるものがあれば……!」


 この成樹の決断の一つが、また世界の変化を投じる一石になることは、ウィステリア・ミスト以外知るものはいなかった。

 イベント会場内は暗く、フレームだけのラファール・リヴァイヴも静かに鎮座していた。


「ッ……な、何か……何か無いのかッ!?」


 焦りだけが募る、助けてもらってばかりで返すことが出来ない自分が悔しかった――ヒルトの力になりたかった。


「……そうだ! この何れかのラファール・リヴァイヴが使えないか調べれば!」


 男にISは使えない――それが世界の常識であり、定められた運命。

 だが、この時の成樹の頭からはそれが抜けていた。


「クッ……反応がない! ……何れでもいいんだ! 僕は!! 僕はッ!!」


 世界で初めて、男子のIS操縦者が現れたのは今年の二月の出来事だった。

 それは、笹川成樹の親友である有坂ヒルト――。


「応えてくれ! お願いだッ!」


 そのニュースは瞬く間に全世界へと発信され、成樹が知ったのはヒルトと連絡が取れないと困っていた時の事だった。


「お願いだ! 僕に友を救う力を!! もう……助けられるばかりじゃ……嫌なんだッ!!」


 子供の頃からISのイベントが好きだった成樹、喫茶店の手伝いをする中、欠かさずに成樹はIS関連書籍を集めていた。


「……ッ……僕じゃ……僕じゃやっぱり……」


 男がISに乗れない――それは変わらない現実。

 だが――既に運命の輪は回り始めていた。

 イベント会場の真ん中に鎮座している漆黒のラファール・リヴァイヴ、その装甲が僅かに鈍く光る。


「……っ。 お願いだ……僕に、僕に友を守る力を! 応えてくれェェェッ!!」


 祈るように漆黒のラファール・リヴァイヴに触れた成樹――運命の輪はもう回っていた。


「クソッ! 市街地に無人機何て!!」


 ヒルトは成樹が離れてから直ぐ様戦いを始めていた――相手の射撃には身体を張って市街地を守り、攻撃はなるべく被害を出さないように北落師門だけで戦っている。

 イザナミも合流し合体、だが様々な制限を受けて
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