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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
「みつるぎ」
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それは良かった。本国に帰ったら是非『みつるぎ』の宣伝をよろしくね」

 ミューゼル専務はそう言うと頭を下げ、私たちは駅へと足を向けた。
 これで喉の奥に引っかかっていたものが取れたような気がする。とりあえず亡国機業が公の会社一つを隠れ蓑にしているっていう可能性が一つ消せた。まあ他の会社はどうかは分からないけど・・・・・・
 とりあえずは・・・・・・
 
「おーいカルラ! この人形焼って美味そうだな! 親父さんとかにお土産で買って行きたいんだが! お、あっちにも珍しいものが・・・・・・」

 クロエのいつもの癖を止めなくては!


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 『みつるぎ』本社、午後10時・・・・・・
 既に一般社員は帰宅し、すっかり静まったビルの一角。
 幹部職員に用意された部屋で一人の女性が残った仕事を片付けていたのか、端末を叩く音のみが響く。その静寂を破るように女性の胸ポケットから着信を知らせる音が部屋に鳴り響いた。
 女性は胸ポケットから通信端末を取り出し着信先を確認してからクスリ、と一つ笑うと通話を開始する。

「はい、こちら『みつるぎ』のスコール・ミューゼルです」

『似合いませんね、その名乗り』

「あなたほどではないのではなくて?S(エス)」

 端末を叩いていた手を休ませ、女性・・・スコール・ミューゼルが背もたれに体を預ける。

『あまり無茶させないでくださいよ。連絡くれるならともかく、いきなりあんなことされたら対応に困るじゃないですか』

「あら? あなたはあの程度でボロを出すような人だったかしら?Sともあろう方がこの10年で随分不抜けたのね」

『ご冗談を……こっちの身としてはあなたの正体がバレるんではないかとヒヤヒヤしてましたよ。なにせスコール・ミューゼルは本名ですからね。調べれば一発でわかる』

「アメリカの国防総省で極秘情報を調べれば、ね。そんなのアメリカの国家代表でも難しいことよ。私の心配より自分の心配をしたほうがいいのではなくて?」

『まあ確かにそうですが……』

 相手の無粋な心配にスコールはくすくすと可笑しそうに笑う。電話している相手のほうが遥かに危険度は高いのだ。10年に渡る潜入、なんていうのは伊達ではない。

「それで? そんなことのために連絡してきたわけではないでしょう?」

『おっと、そうでした。実は先日IS学園から要請がありまして。日本、オーストラリアで共同開発中の『ワタツミ』を使用したいとね』

「へえ、何に使うのかは?」

『そこは極秘情報だって隠されたので何に使うかは分かりませんが、ま
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