「みつるぎ」
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くる。
その人物は・・・
「・・・・・・・・・・・・違う人、ですね」
全く知らない日本女性の方でした。
「なんだよー! ここまで来て無駄足かよー!」
私がホッと胸を撫で下ろすと同時にクロエはやってられないとばかりに体を大きくそらした。
まあ、何もないほうがよかったと思うんですが・・・・・・
『一体どういうことなんだい? そろそろ説明してほしんだけど……』
「えっと実は……」
さすがにスミスさんにこれ以上何も説明しないわけにはいかない。
簡潔に、結論だけを掻い摘んで私はスミスさんに事の事情を説明する。
『なるほど、亡国機業が使っていた名刺の名前が『巻紙礼子』だったわけだね』
「ええ、すいませんご迷惑をおかけして」
『いや、いいんだよ。何も言わなかったのは僕が知って、本物の亡国機業だったらまずいと思ったからなんだろう?』
「ええ、その通りです」
『まあ先に一報欲しかったのは事実だけど、あまり危険なことはしないでね。君は一人で無茶するところがあるから』
「大丈夫だよ。今日は私が付いてるんだから」
スミスさんの声に答えたのはクロエだった。もう用は済んだとばかりに両腕を上に伸ばして伸びをしているところを見るとクロエも相当気を張っていたらしい。
『アシュクラフト候補生、君のは独断専行って言うんだよ。この間の世界演習の時だって何も言わずにカスト候補生の見送りに行ってしまうし、フォローするこっちの身にもなって……』
「わー! わかったわかった! そのことはまた帰ったら謝るから! じゃね!」
『あ! ちょっとま!・・・・・・』
説教が始まると見るやクロエは私の通信端末の電源をオフにしてしまった。
私は呆れた顔をしてクロエに向き直る。
「クロエ、あれ黙ってきてたの?」
「カルラまで細かいこと言わないでよ。そのお陰で助かったんだからさ」
まあそれは確かにそうなんですがね・・・
私とクロエが戻るとミューゼル専務が笑顔で待っていてくれた。
「話は終わったかしら?」
「は、話・・・ですか?」
「エレベーターの中での話を聞いて直ぐに二人ともお手洗いに行くんだから本国に確認をとっていたのでしょう? それで、巻紙は確かにオーストラリアにいたかしら?」
まあ、それはそうだ。せめてどっちかは残っておくべきだったのかもしれない。クロエもそう思ったのか肩を竦めつつ軽い調子でミューゼル専務に返す。
「ああ、どうやら私たちは完全に空振りだったみたいだね」
「戻ったらお二人が来ていたのは伝えておくわ。じゃあ施設の見学に行きましょうか。見せられるのはさっきも言ったようにこのフロアの一部だけだけど」
「ええ、構
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