「みつるぎ」
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は同時に声を上げてしまう。
ちょうど目的の階についたのか、エレベーターが止まり扉が開いた。
「さ、どうぞ。ここが『みつるぎ』の装備開発エリアよ。案内できるのはここのワンフロアのみになりますけどね」
「す、すいませんミューゼル専務! お手洗いはどちらでしょうか!?」
「わ、私も行きたいかな!」
「? この通路をまっすぐ行って右手よ。先は行き止まりだし直ぐわかるわ」
「ありがとうございます!」
「直ぐ戻るんで!」
私とクロエはなるべく走らないように落ち着いてお手洗いにたどり着くと死角に入り込む。私はすぐさま通信端末を取り出し秘匿通信を起動させた。クロエは入り口の直ぐ横に立って誰か来ないか見張りについてくれる。
数度のコールが異様に長く感じる・・・・・・1回・・・5回・・・10回・・・出た!
「スミスさん!」
『やあ、カスト候補生。どうしたんだい? そんなに慌てて』
相手が返事をする前に私は声をあげてしまう。通話の相手、スミスさんが少し可笑しそうに笑いながらいつもの優しい声で返事をしてくれた。
不安に脈打つ胸を落ち着けつつ言葉を紡ぎだす。
「あの、そっちに『みつるぎ』の渉外担当の巻紙って人が来てませんか!?」
『ああ、よく知ってるね。今ちょうど新しい装備の提案で会合をしてたところだよ』
一緒に・・・いる!?
予想外すぎる答えに私の視界がグラつく。国の・・・・・・しかも候補生管理官レベルと会話ができる程の立場に亡国機業の人間が入り込めているとしたら・・・・・・
そんな最悪の状況に二の句が告げなかった私に変わって横からクロエが割って入ってきた。
「ほんとか!?」
『ア、アシュクロフト候補生!? 何してるんだいそんなところで! 君は今日帰ってくるよt……』
「んなことは後でいい! スミスさん、そいつの顔リアルタイムで送れるか!?」
『な、なんでそんなこと……』
「いいから!」
スミスさんの反論を遮りクロエが捲くし立てる。
『あ、ああ……ちょっと待っててくれ』
その迫力に気圧されたのかスミスさんからの音声が一瞬切れて映像が送られてくる。映ったのは見え覚えのあるジャクソン社の廊下、会議室のある階だ。私たちからの連絡でスミスさんは外に出たのだろう。
少し廊下を戻って会議室の扉の前で動きが止まる。スミスさんも何かを感じているのか少しだけ扉を開けて中の様子を映してくれた。
手前には以前挨拶されたことのあるジャクソン社の装備開発の人が座っている。対面の人と楽しげに談笑しているのが見て取れた。映像が少しずつその対面の方へと移動していき・・・・・・その人物を捉えた。
「どうだ!?」
クロエが焦ったように尋ねて
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