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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
「みつるぎ」
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…」

「そこをなんとか……」

「何を揉めているのですか?」

 クロエとガードマンの押し問答が始まろうとしていたのを後ろからの声が止めてくれた。その場の全員がその方向に顔を向ける。そこにいたのは長身で美しい金髪のスーツ姿の女性。スーツの上からでも分かる豊満な胸は、それでも窮屈そうではなくその姿があるべきものかのようにそこにある。その姿自体がまるで完成された一つの芸術であるかのような、そんな人だ。

「ああ、ミューゼル専務。お疲れ様です」

「ええ、お疲れ様。で? 何を揉めているの?」

「ええ、実は……」

 ガードマンがミューゼル専務と呼んだ女性にことの経緯を話し始める。私たちはその話の終わりを固唾を飲んで見守るしかなかった。専務クラスの人に断られれば大人しく帰らざるを得ない。クロエもそれが分かっているから黙って事の成り行きを見守っている。

「まあ……いいでしょう」

 女性は少しだけ考え込んでからそう言った。

「よ、よろしいのですか?」

「よろしくはないけど……今日しか日本にいられないのでしょう? ただし条件があるわ。中で見たことは口外しないこと、私が一緒に回ること、見せられるところには限りがあるから私の言いつけには必ず従うこと。これを破った場合法的措置に出る場合もあるけど、それでもいい?」

「「あ、ありがとうございます!」」

「そういうわけだから、この2人は私が責任を持って預かります」

「はあ、専務がそうおっしゃるなら私としては問題ありませんが……」

「さ、どうぞ」

 ガードマンは無線機を取り出して私たちが入ることを受付に伝えだした。その間にミューゼル専務が私たちについてこいと促してビルの中に入っていく。私とクロエはその後についてビルに入った。自動ドアを潜ると3階部分まで吹き抜けになっているエントランスホールがあり、正面には受付カウンターには3名の男の人が待っている。IS企業だから女性向けなのだろうか、世間一般で言うかっこいい人しかいない。
 受付で通行証を受け取りエレベーターの前で待ってる時にミューゼル専務が振り返って名刺を差し出してきた。

「ああ、そうそう。まだ名乗ってなかったわね。私は『みつるぎ』渉外担当取締役専務を務めさせてもらっているスコール・ミューゼルよ。よろしくね。カルラ・カスト候補生、クロエ・アシュクラフト候補生」

「あ、ありがとうござ……!」

「あんた、私たちのこと気づいてて通したのか」

 いきなり本名で呼ばれて私とクロエは一気に警戒態勢に入る。

「仮にも渉外担当ですから、国家代表と代表候補の顔はほとんど頭に入ってるわ。IS関連企業の営業で知らない人の方が珍しいと思うけど?」

「あ、それは……」

 言われてみ
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